第4話 ナメクジ掃討作戦

 小学校時代の話に戻そう。


 僕は、どちらかというと、というより、ハッキリ言って文化系の少年だった。

 ゲームはもちろん漫画も大好きで、特にコロコロコミックは当時の生き甲斐だったと言っても過言ではない。

 家に居る時は漫画を真似た落書きばかりしていて、将来は漫画家になりたいとさえ思っていた。(特別絵が上手でもなかったが)


 あと、一人でよく、自分を主人公にした漫画を頭の中で妄想して、日に日にそのストーリーを進めていったりした。

 この妄想一人遊びは、ほぼ毎日必ずといっていい程、寝る前は欠かさなかったような気がする。


 そんなふうに文化系の僕だったが、他の子供達と同じように、外での遊びも色々やった。

 ボールを使った遊びもやったし(キックベースをよくやっていた)、缶けり、ケイドロ(ドロケイとも言うが)、色鬼、など様々な遊びをやった。


 夏になると虫捕りもよくやった。

 僕はバッタが好きで、近所の草むらに行っては好んでバッタを捕まえた。

 あと、一回かたつむりを捕まえてきて、何にも施されていない虫かごに入れて飼おうとして、そのかたつむりを一日でカッチカチにしてしまった事がある。


 他に虫関係の遊びだと、やはり子供ならではの残酷な遊びを思い出す。

 捕まえた虫同士を戦わせたり、ザリガニの甲羅の中にバクチクを入れて爆発させるといった残虐な事もよくやった。


 しかし、中でも特に印象に残っているのは、塩爆弾による、空き地に生息するナメクジ掃討作戦である。

 家の近所には川が流れていて、その川の土手と周辺一体がまだ当時は開発予定地で、広大な空き地が広がっていた。

 ある日、友達と一緒にその広大な空き地に大量の塩を持って乗り込み、そこに住んでいるナメクジ達に、片っぱしから塩をかけて回ったのである。


 これがナメクジ掃討作戦の全貌だ。(ナメクジにとっては迷惑この上ない遊びだが)

 やがて僕達は、広大な空き地のナメクジ達を全滅させても飽き足らず、今度は残りの塩をミミズにまでかけだした。

 するとミミズ達は、痛いのかしみるのか、もの凄い勢いで暴れだし、その姿は実におぞましいものだった。


 今考えると、その時のナメクジ達には本当に申し訳ない事をしたと思う。

 きっと僕は、将来死んだら、この業により、ナメクジ地獄に落とされるかもしれない。

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