第4話 ついに転生

ダンジョンに入ってから6年ぐらいが経ったと思う。時間は太陽が見えないためほとんど体内時計だ。ここはダンジョンの80層、ここまでくるのにいろいろなことがあった。持ってきていた食料が底をつき魔物の血肉を食いながらランダムチケットを引いで五十連全部爆死したこともあった。あの時はたわしだらけになったのでその場に置いてきた。まあ時々とても強そうなスキルや魔法をもらったり一度だけ伝説の魔剣をもらった。魔剣の名はズルフィカールこの剣は預言者ムハンマドへ天使ジブリールによって天から送られた曲剣という逸話が残っているらしい。

まあそのようなことがいろいろあったのだが結論から言うと俺って死んだのかもしれない。

 理由は幾つかある。俺はダンジョンの安全だと思われる部屋で寝ていたはずなのに起きたらホールのような広さの空間に最高級品の家具を置いたような部屋にいた。夢かもしれないと思い思いっきり頬をつねってみるとめちゃくちゃ痛かった。死んだら霊体だと思うのになんでだろ?まあ、それは置いといて次は床である。床と呼んでいいかわからないそれは青空のように澄み渡っていてどこまでも続いているようだったそして俺や周りの家具が浮いているみたいで足を一歩出してみると波紋状に広がった。そのようなことを考えていると目の前の大きな門がゆっくりと開いていた。

 ん?あの門どこかでみたことがあるような?

そして門が開き切ると中から膝あたりまで伸びたとても美しい銀髪になによりも透き通ったような青色の瞳。そしてとても慈愛に満ち溢れてる表情をした絶世の美少女が入ってきた。

  

 本能から理解させられた。格が違うこの人は女神様だ。

 その美少女と目があった時———

  「ブフッ」

 突然吹き出した。そして束の間の静寂のあと女神様は謝ってきた。

 「すっすいません。私は東京専門で迷える魂の案内をしていたものですから、そんなゴブリンのような格好をした人が東京のど真ん中を歩いてるところを想像すると ブフッ しかも臭いまでしっかりとゴブリンみたいなすごい悪臭がしますね。この世界にゴブリンはいないはずなのになんでそんなにそっくりなんですか?」

  

 この人すごいな。謝りながらディスってきたぞ——-

 

 こんなことを考えている時も女神様はプルプルと笑いを堪えるようにしていた。慧はとりあえず部屋にあった大きな鏡で自分の姿を見てみた。

 

 うん、これはしっかりとした立派なゴブリンだな

くさそうな皮の腰巻きに泥などで汚れた肌。長らく手入れすらしなかったボッサボサな髪の毛。

まあとりあえずこの女神様が笑ったことは置いといて話しかけてみるか。

 「あの〜すいません。ここってどこなんですか?あと自分はどうなったんですか?あとこれからどうなるんですか?そしてあなたは誰ですか?」

 女神様は真剣顔をして質問に答えた。 

 「えーっと一つ目の質問ですがここは第82天界日本東京支部ですよ。

二つ目と三つ目の質問ですがそれを説明しにきたので後で教えます。

そして1番大事な質問である4番目ですが、私の名前はノルン。運命の神様ですよ。えっへん」

 女神様改めノルン様は控えめな胸を張りながら得意げに自己紹介をした。

 「とりあえず本題に入っていきたいのでそこにお掛けください。」

 ノルン様はソファを差しながら行ってきた。そして、目の前の席に座ると隣にある引き出しから書類の束を取り出した。

 

 あっそういうのってなにもない空間から出てきたりするものではないんですね。

 

 「では、改めましてこの度はお亡くなりになられたこと心からお悔やみ申し上げます。しかもその若さですよね。少々お待ちくださいね。死因を確認いたします」

 ノルン様は分厚い書類に目を通して行った。2枚目の題名は死因についての報告書であった。その報告書を読んでいるととても驚いたように目を見開いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る