同性愛ネットワーク 完

朝香るか

始まりは

第1話同性愛ネットワーク


 まだまだ偏見、差別や制度への壁がありますよね。

 そんな人には言えないこと。まだまだ偏見の強いこと。


 私にはだれにも言えない秘密があるのです。


 自慢ではありませんが


 それなりに恋愛の機会はあったのですよ。


 異性に告白は5回されましたし、


 町を歩いているとモデルの誘いが


 あることもあったのです。


 過去に何人かお付き合いした男性もいました。


 当時は心の底から恋愛していたと思います。


 高校生になると珍しくないもめ事もありました。


 泊まりに来ないかと誘われたのです。


 それは常識的に考えれば身体を求められたのです。


 相手は男なのですもの。


 欲求があって当然ですし、


 求められているうちが花という言葉だってあります。


 けれど私の心の準備がまだ出来ていないことを


 彼は知っていました。


 私の気持ちが伝わっていると思っていました。


 手を出してこないものだと思っていました。


 けれどその認識は愚かしいことでした。


 無知でした。


 あの部屋に行かなければ、


 怖い思いをしなかったでしょうか。


 そんなことありません。


 生きていれば必ず通る道。


 いずれもっとひどい形で現れたことでしょう。


 浮気であったり、風俗であったり。


 三大欲求に勝てる人間なんていないのですから。


 一般論は知っています。


 私の知る彼はそんなことしないと思っていました。


 でもそんなことはなかったのです。


 口では分かったと言いました。


 どうして怖いのかと聞かれます。


 そんなことは言わなくても見当がついてほしいものです。


 本能的にすくみます。


 自分とは異なるものを受け入れるということは、


 自分の意志とは関係のないレベルで負荷がかかることのようです。


 平時の彼は好きです。


 一生傍にいたいです。


 情欲におぼれている時の彼は大嫌いです。


 これからも好きに転じることはないでしょう。


 彼のすべてを受け入れることはできませんでした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る