妹は俺のものだ

 妹のりんが看護師になる夢を実現するには、実家を離れその大学付近で1人暮らしをする必要があるだろう。実家近くに、看護系の大学はないからだ。


俺は将来について、まったく考えていない。

適当に大学に入って、普通に就職したいだけだ。


どうすれば、高校卒業後も今のような関係を維持できる?



凛が入学する看護系の大学近くの大学に入学するか?

それなら一緒に住める可能性が出てくる。


しかし、両親を説得できる訳がない。

「近場で良いだろう」と言われたら、反論の余地がないしな。


そもそも、両親に全ての金を出してもらう以上、俺の立場は弱い。

両親を怒らせれば金は出してもらえず、就活する必要がある。


高卒で就職したくない。俺はまだ遊び足りないぞ。

クソ。もうどうしようもないのか…。



 俺は自室で頭を抱えている。ダメだ、打開策がまったく浮かばない。

そんな時、自室の扉が開いた。確認したら凛だった。


「ただいま」


「…おかえり」


「お兄ちゃんって、卒業後の進路はどうするの?」


両親には話したが、凛には話したことなかったな。


「決まってないんだよ。やりたいこともないしさ…」


「だったら、私と一緒に看護師を目指さない?」


「何だと?」

看護師ねぇ…。悪いけど、興味ないな。


「そうすれば、私と一緒に住めるよ。できればお兄ちゃんと一緒に住みたいな」


嬉しいことを言ってくれる。俺のものである自覚があるのか?


「看護師は悪くないけど、俺は馬鹿だから厳しいだろうなぁ」

双子なのに、学力には大きな差がある。


「勉強は私が教えるよ。教えることも私のためになるから、気にしないでね」



 最善策はこれかもしれない。


俺も凛と同じ看護系の大学を目指せば、絶対一緒に住める。

看護師は今後も必要な存在のはず。それを目指すことに、両親は反対しないだろう。


看護に興味がないのは変わらないが、それはどの業種・職種にもいえること。

なら、凛が近くにいる状況を選んだほうが得策だ。


「そうか。凛がそこまで言ってくれるなら、看護師を目指すのも手かもな」


「お兄ちゃん…」


嬉しそうに俺を見る凛。…悩みがなくなったら、性欲が復活した。


「これから勉強を頑張らないとな。だが、その前に…」


俺は制服姿の凛を、ベッドに押し倒した。

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