スペックホルダーの女子大生

第1話

黒のスーツスカートを履いていて綺麗な太ももと足、超人的身体能力が特徴の彼女は女子大生である。名前は大崎茜。

そんな彼女は今、その美貌を台無しにする程に不機嫌そうであった。


「ったく、なんで私がこんなことを……」


ぶつくさ文句を言いながら彼女はとあるアパートへと向かっていた。そこは現在、行方不明となっている少年が住んでいるはずの場所だった。

そして、大崎は少年の部屋がある二階まで上ると、階段から一番離れた部屋の扉の前に立った。表札には『鈴木』と書かれている。


「ここね」


そう呟きつつ、インターホンを押した。するとすぐに反応があった。


『はい……?』


声の主は若い女性の声だった。だが、その声を聞いた瞬間、茜の顔が不快げなものになった。


(この声……間違いないわ)


大崎はその女性に見覚えがあった。それもつい最近だ。だから彼女は躊躇することなく言った。


「警察です。少しお話を聞きたいのですが?」

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