第37話「ヒサギン救出大作戦1」
【同日 17時25分 渚輪ニュータウン デパート近郊】
アド 「それで。探すアテはあるのかにゃサンちゃん!」
「残念だがアテはない……新しいゾンビの死体がないか注意しながら、虱潰しに探すしかないな」
礼音 「ふむ、虱潰しか……」
アド 「渚輪ニュータウンって出島とはいえ、東京ドーム数個分くらいはあるぞい?」
「東京ドーム換算好きだなお前」
綴 「北ですわ」
「北? 甘噛、根拠は?」
綴 「垓三陸橋方面へ中央通を走って行くのを、わたくし、ずっと最後までみておりましたもの」
「でかした。虱潰しするのは変わらないが、方面だけでもだいぶ絞れる。それに、地図を見る限り垓三陸橋方面は施設の類が少ないぞ」
礼音 「だとしても急いだほうがいいな。来栖崎くんの容態もそうだが、日没まで時間もそうない。夜、外を長時間歩くことは自殺行為に等しいからな」
アド 「よし、決まったね。てなわけで総員、全速前進だぁー!」
■■─────────バトル────────■■
「甘噛……見かけによらず強いな」
綴 「あらやですわ、端ないところをお見せしてしまいましたですの」
甘噛は血まみれになったトンファーをひゅんひゅん回しながら、お淑やかに会釈した。
お嬢様然とした格好とのギャップが、半端ない。
アド 「こう見えてもツヅリン、琉球武術の黒帯。師範代クラスさんだからね」
「琉球武術……沖縄出身なのか?」
綴 「ふふ、どうでしょう」
礼音 「甘噛くんは来栖崎くんと双璧をなしていた元エース、前衛派だからな」
アド 「ツヅリンに比べりゃあたしらなんか『戦闘力たったの5か……ゴミめ』だぜぃ」
「……ほぁー」
綴 「サン様は驚いた顔も可愛いですわ」
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