私は規格外!?〜目立たず憧れの学園生活を過ごしたいだけなのにっ!!〜

雪蘭

第1話 アランガルの森

 アランガルの森の奥深く、誰も寄り付かないようなその場所で私とお師匠様はひっそりと暮らしている。


「......ア、............リア..........................エリア!!!起きて下さい!もう1の鐘が鳴りましたよ!!」

「んんー......。もうちょっと......、」

「ダ・メ・で・す!!今日は入学式でしょう??貴女一人遅刻するんですか??」

「それはいやーーーー!!!!」


お師匠様の一声で一気に覚醒した私は慌ててベッドから飛び起きた。


「うわ〜ん!どーしよーっ!!間に合わないっ!!......そうだ!転移魔法で........、」

「何を言っているんですか?そんなことしたら初日から目立ちまくりますよ。私があなたの年齢の時にはせいぜい4級魔法までしか使えなかったのですから。」

「あれまっ、そーなんだぁ........。」


............せっかくいい考えだと思ったのに。なんで転移魔法は3級魔法なんだろうね?便利だしそんなに難しくないのになぁ。


「はぁ。本当に貴女っていう人は........。いいですよ、今日は僕が送ります。早く準備して下さいよー。」

「わーい!お師匠様だーい好きっ!!」

「今日ですからね?」


お師匠様は仕方なさそうにそう言いながら、茶目っ気ある顔でウインクした。


 そんなお師匠様、ティスパル師匠は若そうな外見とは裏腹に、実は87歳のおじいちゃんだったりする。きらきらと輝くような銀髪にグリーンの涼やかな瞳、そしてその眼差しに宿る儚げな影にきゅんとするのか、若い頃は熱狂的なファンが多かったらしい。(今もそれは変わらない。)


お師匠様の治癒魔法や薬を求めてわざわざ訪ねてくるご婦人方は多いが、そのたいていはお師匠様を拝むためらしい。

そのおかげか、ひっそりとしているはずのアランガルの森では今日もその方達の黄色い声がこだましている。


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