ディグディグダグダグダダダダダッ

藤原くう

第1話

 とある鉱山惑星に二人の若い男がいた。

 名をディグとダグーといった。

 二人はそれなりに名の知れた鉱夫(メジャーマイナーとも)で、例えば伝説上のアダマイトやヒヒイロカネを見つけたのは彼らだし、そういった存在があやふやなものではなく、ダイヤモンドをはじめとした鉱石や地下資源を発掘するのにも長けていた。

 そんな業界では知られた存在に、奇妙な依頼が舞い込んできたのである。

 依頼主は、浅黒い肌をした男性である。陰鬱とした雰囲気をぷんぷんとさせたその男性は、レスとだけ名乗った。

「とある物体を探していただきたいのです」

 レスは、みすぼらしい容姿からは想像だにできないほどの金塊を置きながら、そう依頼したのである。

 ディグとダグーは顔を見合わせる。依頼において、これほどの金額を前払いすることは少ない。何か裏があるのではないか――二人がいぶかしんでいると、レスは不快な笑みを浮かべた。

「これは見つけるための費用です」

「費用?」

「ええ。それほどまでに見つけづらいものを探していただきたい」

「して、その見つけてほしいものとは」

「世界の終わりとでも言いましょうか」

 レスの言葉に、は、と疑問の声を上げたのはダグーであった。彼はちょっとばかし気の短いところがあったし、ディグほどは学があるわけでもなかった。レスの言っていることがどうにも信じられなかったのだ。自分たちは何かおちょくられているのではないかと思ったのである。腕まくりしていきり立つダグーを、ディグが制する。

「ほう。世界の終わりですか」

「そうです。この世界がどこまで広がっているか知ってますか」

「そりゃあどこまでもだろ」

「そうとも言えますし、そうではないとも言えます」

「もったいぶらずに教えてもらいたいものですな。私たちはメジャーマイナーであって物理学者というわけではございませんのでね」

「ああすみません。回りくどい言い方をしてしまうのが僕の悪い癖でしてね。とにかく、世界の終わりというものがあり、そこに未知の鉱石があるのです」

 世界の終わりというものにディグもダグーも興味はなかった。しかし、未知の鉱石と言われると、興味が湧いてきた。

「その未知の鉱石とは?」

 身を乗り出したディグを目にしてレスがにやりと笑う。

「わたしにもわかりません。ただ、それが小さく真珠のように白いことだけははっきりとわかります」

「それをどこで?」

「夢の中の図書館で――と言ったら信じてもらえますでしょうか?」

 ダグーが弾かれたように立ち上がる。今度こそバカにされたと思ったのだ。つかみかかろうとして、結局はやめた。彼もレスの言う未知の鉱石なるものが気になったのだ。

 ダグーは丸い顔を真っ赤にさせていたが、じきに座った。それからハンカチでこぼれてしまったコーヒーを拭う。テーブルを拭いている彼を見て、レスがくつくつと笑う……。

「何がおかしいのですかな?」

「いや、噂にたがわぬ二人組だったものなので」

 不快に思われたのなら失敬、とレスは言ったが心のこもった言葉ではなかった。

 ディグは立派なあごひげをさすりながら「ふむ」と呟く。

 魅力的な依頼であった。未知なる鉱石を探してくれ――それも世界の終わりに存在する! これほどそそられる依頼がかつてあっただろうか。

 しかし――目の前の不健全そうな男をディグは見据える。あの男はどうにも信用しがたい。目の前に置かれている金塊にしてもそうだ。金塊は信用にたるものではあったが、それを持ってきた人間と用意された方法はどうにもクリーンな感じがしない。そもそも薄汚れた宇宙服を着ているところを見るに、黄金は彼が用意したものとは到底思えない。背後に何者かの存在があるのだ。巨大な何かが。

 ディグが悩んでいたのは、わずかのことだ。結局は依頼を受けることにした。最後まで迷っていたが、迷っているときは直感に従うようにしているのだ。つまり、その未知の鉱物とやらを探してみたいという純粋な感情に。



 世界は常に広がっている。どこまでもどこまでも。無限に広がっていくのか、それとも限界があるのか。今のところはよくわかっていないが、とにかく広がっている。世界の終わりに到達した人間はおらず、世界の果て駅なんていうものがあるわけでもない。

 世界の終わりとやらに近づくためにはどうしたらよいのか。

 そう言った疑問が噴出することは、レスの想定内だったようで、彼は懐から鍵を取り出して金塊の隣へと並べる。

 鈍い白光を返すそのカギに、二人は注目する。

「プラチナですか」

「流石一流のマイナーだ。これは銀でできた鍵なのですよ」

「珍しい」

 触っても、という問いかけにレスが首肯で応じる。ディグが銀の鍵を手に取る。ずっしりとした重さを感じた。銀は表面だけだろうと――銀は貴重な金属である――思っていたのだが、鍵自体が銀でできているようである。純銀製の鍵。中世期においては、銀が装飾のために用いられたという話はある。例えば剣だったり食器だったりだ。しかし、銀でできた鍵というのは、アンティークに明るいディグも聞いたことがなかった。その上、鍵は飾り気がない。装飾のために銀でつくられたわけでもなさそうである。

「この鍵が何だっていうんだ?」

「そのカギに、望む行き先を願いなさい、さすれば道は開かれます」

「……突然、預言者めいたことを言うじゃねえか」

「預言者とは。恐れ多い。私は主が望むことを行うだけです」

「主?」

「ああ失敬。なんでもございません」

 ディグは追及しなかった。気になりはしたものの、うすら寒い感じがして、やめたのだった。どうして追求しなかったのか、彼自身わからなかった。本能的な恐怖とでもいうのだろうか……。

 そういうと、では、とレスが立ち上がった。金塊をおいて――これが前金というのは本当のことらしい――部屋を出て行く。

 扉が閉まった。

 しかしながら、鍵の使い方がわからない。念じろと言われても、どうやって念じたらいいものなのかとんと見当がつかなかったのだ。ディグとダグーは顔を見合わせる。ダグーは拭う手を止めて、レスを追いかけた。

 扉の先は一本道となっており、その先には階段があった。レスの脚がいくら早かろうと、俊足で鳴らすダグーならば追いつけるはずだ。

 しかし、追いつけなかったのである。



 鍵を持って、念じる。なんて非科学的な行為なのだろう。

 そう思いながらも、ディグは世界の最果てにつながることをイメージする。そうするだけの価値と美しさが、銀の鍵にはあった。

「魔法じみた力が本当にあるのかねえ」

「静かに」

 目を閉じたディグはイメージを膨らませながら、ありもしない鍵穴へ銀の鍵を突き刺す。

 不意に、ディグを倦怠感が襲う。まるで、加重装置が働いたかのような感覚。体が重く感じられた。それでも、手は止まらない。ディグは空へ突き出した手を捻った。

 その瞬間、鍵が光った。

 光は鍵と鍵を突き刺した空間から洩れ、空間を塗りつぶす。最初に気が付いたのはダグーであったが、その光はじきに目を閉じているディグにもわかるほどの強さにまでなった。

「何が――」

 二人が発することができたのはそこまでであった。

 次の瞬間には、光は収縮しており、そこにいたはずのディグとダグーはどこにもいなかった。


◆◆◆◆◆◆◆


 ディグとダグーが目を覚ますと、真っ白な世界に立っていた。

 背後を振り返ると、星々が瞬いている真っ黒な世界。

「ここは……」

 ディグが頭を振ると、白と黒の境界が目に入った。白はディグ側にあり、黒は宇宙。その境界線はディグたちの方へとやってきているように見えた。

 ここが世界の果てだと、直感した。今まさに世界が記述されているのだ。それも目の前で。

 ディグは手のひらを開く。銀の鍵が鈍く光を放っている。この鍵が、ここへ至る道を開いた。あの怪しげな男は本当のことを言っていたのだ。

 そうであれば、やはりここは世界の果てに違いない。

 確信めいたものを感じ取ったディグは神妙な面持ちで首を縦に振る。

 そうやって冷静に事態の把握を行ったディグとは対照的に、ダグーは明らかな異常に困惑していた。

「ここはどこなんだ」

 光に包まれたと思ったら、真っ白な世界と真っ黒な世界のはざまにいたのだから、普通の人間であればダグーと同じような反応をするに違いない。きょろきょろと周囲を見渡したダグーは、相棒と同じように境界線に目を向けた。ディグとは違い、彼の興味は黒い世界へと注がれた。

 黒い世界には光が瞬いている。それは空を埋め尽くす星々のキラメキのよう。宇宙だとディグが判断したように、ダグーもまた黒い世界を宇宙だと認識した。

 膨張し続ける宇宙の最前線に、自分はいる。

 ――いや、これは正確ではないだろう。二人は境界線を越え、その先の世界にいる。つまりは、宇宙の外にいるということになるのだから。

 それをダグーが理解したかはわからない。知性では理解していないに違いなかったが、彼には類まれなる本能があった。野生の勘が、この境界線に追いつかれてはいけないのではないかと訴えた。

「お、おい。あれって」

「宇宙だな」

「あの線の向こうに行ってしまったら」

 境界線の向こうは宇宙。宇宙ということは真空。ディグとダグーは宇宙服を着てはいない。二人の考え通りであれば、どうなってしまうかは考えるまでもないこと。

 二人の背中を冷汗が伝う。その間も宇宙は膨張を続け、秒速三センチメートルほどの速さで二人へと近づこうとしていた。

 本能的にディグとダグーは後ずさりする。

「俺たちは騙されちまったのか?」

「それはどうだろうな。ここへ連れてきた理由がわからん」

 白い世界を見渡す。どこまでもどこまでも広がる白い世界には、端なんてないように見える。レスが二人を騙すつもりであれば、依頼をする必要がない。そのアブノーマルな力を行使して、無理やりここまで連れてくればいいではないか。レスからもらった鍵でここまでやってきたのだから、彼にも同等の力があると考えた方がよかった。

 ディグからすると、鍵のことも気になったが鍵は光を失ってしまっている。ためすがめつ鍵を見てみても、普通の鍵だ。何かの機械が埋め込まれてはいないように見える。それは表面だけなのかもしれなかったが、レスの言葉を信じるのであれば、種も仕掛けもない純銀でできているということになる。

 とにかく――ディグとダグーは白い世界の奥へと歩き始める。

「とにかく行くしかあるまい。このままでは真空に放り出されてしまうかもしれないからな」



 ディグとダグーは境界線から逃げるようにして、白い世界の奥へと進んでいく。不思議なことに、下へ下へと進んでいくような感覚があった。傾斜があるというわけでもないのに、どういう仕組みなのだろうか。

 それに何より、重力がある。宇宙には重力がないのは誰でも知っていることだが、宇宙の先に存在していた白い世界には重力があった。重力があるだけでは、延々と落下し続けることになるが、一歩踏み出すことができるだけのしっかりとした床が存在している。その床の下に重力の発生源があるのかはわからない。

「しかし本当にあるのかねえ」

「さあな。世界の果てにはやってこられたが」

「それが気になるんだよ。ここは本当に世界の果てなのか?」

「そうとしか言えないだろう。ほかになんと形容する」

 見渡す限りの白が目の前には広がっている。世界の果てと言われてしまえば、多くの人が共感するだろう。しかし、ダグーは違和感を覚えていた。白い世界はどこまでも続いている。これでは世界の果てとはいえないのではないか。世界の果てというのであれば、あの境界線の彼方がそうなのではないか。そう考えると、ダグーは震えてしまうのだ。

 ――だとすれば、オレたちは今どこにいるというんだ。

 それ以上、ダグーは考えないことにした。考えてしまえば、自分が自分でなくなってしまうような気がした。代わりに、目線を先へと向ける。

「そういえばよ、道具は持ってこなくてもよかったのか?」

「おっと、私としたことがカギに気を取られて道具のことを失念していたようだ」

「つまり忘れたってわけね」

 ため息とともにダグーは言った。いくらメジャーマイナーだからといって――だからこそ、道具がないと何もできない。様々な機械を用いて検査を行い、目と耳で鉱石があるであろうサインを探し、絞り込めた範囲の中からダグーの直感によって探し出す。この方法を用いて、ディグとダグーは鉱脈発見率を九割台へと持っていったのである。

 ディグだってため息をつきたいところではあったが、さりとてどうしようもない。

 握りしめていた手を開く。中には光を失った鍵が変わらず存在している。この鍵があれば、自分たちのいた宇宙へ戻ること自体はたやすいだろう。理由はわからなかったが、直感めいたものがあった。同時に、今はできないであろうことも。

 ディグの体には倦怠感が重くのしかかっていた。光の扉が開く直前にやってきたあの感覚。恐らくは、精神的あるいは肉体的なエネルギーによって光の扉は開いたらしい。人類が宇宙へと進出した今、そのような魔法は考えることさえバカげたことであったが、そう考えれば筋は通っていた。人間のエネルギーを吸収して扉ができたのであれば、体調の優れない今使用してしまえば、さらなる倦怠感が襲い掛かることになる。そうなればどうなってしまうのか――古来の魔法使いが警句を発しているように気を失うか、最悪の場合は死ぬ可能性だってある。

 道具を取りに行くためには、この鍵を使うのがいい。一番の方法はダグーに使わせることであったが、それは非常事態の時に取っておきたかった。必然的に、扉を開けるのはディグが行わなければならない。しかし、エネルギーが足りるかどうか……。

「いや、違うか」

「何をぶつぶつ言ってるんだ、ディグ」

「妙案を思いついたのさ」

 言いながら、ディグは鍵を掴み、虚空へ突き出す。想像するのは、道具箱。

 ガチャリと鍵が回る。ありもしない錠前が下りる音がする。回しきると、ディグは倦怠感が強まったのを感じ取った。しかし、ここへやってきたときほどのものではなかった。先ほどのが一マイルを全力疾走したときならば、今のはウォーキングした時のちょうどいい疲れであった。

 光が鍵穴からあふれる。その光量にしたって、先ほどとは比べるまでもなく少ない。

 ちょうど道具箱ほどの大きさに広がった光は、やがて線となって道具箱の中を映し出す。

「お、おい。あれって」

「ああ。道具箱だな」

 ダグーはおっかなびっくり光へと近づいていく。空中に線を結んだ光の線には硬さがあるようで、ダグーの手が触れる。驚いていたが、熱や痛みといったものはないらしい。何度か触ったところで、銭を掴んだ。それから、真実の口へと手を伸ばすかのごとくそうっと手を突っ込んだ。つるはしを握りしめると、勢いよく取り出した。

「おおっ! これはオレが使ってるやつじゃねえか」

「他に誰のがあると思ったんだ?」

「そりゃあオレのだとは思ったけどよ。なんていうか信用できないっていうか。信じられないっていうか」

 額に浮かんだ汗を拭いながら、ダグーが言う。光で区切られた空間の先にあるのは見慣れた道具一式があった。それでも、それは映像かもしれず、もっと言えば掴んで取り出せるなんて信じられないというのはディグも同意見である。

 一度道具を取り出したことで安心したダグーは、採掘一式を取り出す。

「掘削機はいいのか?」

「ドリルは動力源がないだろ。縮退エンジンがあるっていうなら話は別だ」

「そんなものはない」

 ないわけではなかったが、少なくとも彼らが持ち運べるものではない。そう言った高出力のエンジンは、宇宙船に積載されるものだ。そして、人二人を運ぶための扉を開くだけでへとへとなのだから、何百メートルもする船体を連れて来られるだけの扉を作るのは不可能というものである。動力源がないのだから、それを頼りにするドリルを用いることはできないというわけであった。

 ダグーは昔ながらの――といっても現在でも精密な採掘を行う際には用いられる――つるはしと指向性爆薬をいくつか取り出した。

 ダグーが扉から離れたのを確認して、鍵を閉める。それから、自分の工具箱をイメージして鍵を開ける。イメージ通り、光の先にディグの工具箱が現れた。

 ディグが取り出したのは、手のひらよりも少し大きいくらいの機器。一面はタッチパネルとなっており、そこで操作ができる。スマートフォンに形状は近かったが、なんでもスマートにこなせる機器かと言われたら、そういうわけでもない。あとは、ダグーに倣ってマイつるはし。

「それだけでいいのか?」

「ああ。どうせ、きちんとした調査はできないだろう」

 精密検査を行うための機具も工具箱の外にはあった。しかし、ダグー愛用のドリルと同じように、大がかりな機械にはそれ相応のエネルギーが必要だ。まともに動くとは思えなかった。

 それに、宇宙を飛び出してしまっているのであれば、既存の物理法則は通用しないのではないかとディグは睨んでいた。白の世界には白の世界の原理原則が存在している。

 手の中のひんやりとした鍵しかり、依頼を持ち込んできたあのレスとかいう男しかり。

 とはいえ、依頼を受けたからには完遂するのがディグとダグーの矜持であった。依頼を仕損じたとあれば、指を指されなくともプライドは傷つく。

 扉から道具一式を取り出したディグとダグーは一度だけ顔を見合わせてから歩き始めるのであった。


◇◇◇◇◇◇◇


 唐突に壁が現れたものだから、ディグもダグーも避けることができなかった。

 勢いよくぶつかった二人は、白い地面を転がる。

「なんだぁ!」

 驚きの声とともにダグーが床を転がる。ディグも同様だ。何かにぶつかったという感覚は、痛烈な痛みとともにあったのだが、何にぶつかったのまでは見当もつかない。そもそも、そこにぶつかるものなんてないと思って歩いていたのだが……。

 起き上がり、何かにぶつかった場所を見ても、一見すると何もないように見える。

 怒髪冠を衝く勢いのダグーは怒りのままに手にしていたつるはしを振るう。そうすると、何もないはずの白い空間で、つるはしが何かに突き刺さった。

「おっ」

 ダグーはつるはしを抜く。白い空間に穴が開いていた。ちょうど、仮想現実でデータが破損してしまったかのような光景。その小さな穴の近くにはクラックもいくつかできている。

「何かあるな」

「なんだろうな」

 二人は並んで、その物体へとつるはしを振るう。突然現れたそれは、思ったよりも硬くはなかった。ぼろぼろと崩れて、落下する。

 崩れ落ちた塊をディグが拾い上げる。

 それは真っ白な塊であった。重さとしては石灰岩のような感じだろうか。つぶては指で砕くことができるほどにもろい。石灰岩と違うのは、混じりけのない白で構成されているところだろう。塊には白以外の色が全く含まれていない。純白だからこそ、白の世界に同化してしまってぶつかるまで気が付かなかったのだ。

 ディグは腰にぶら下げていた仕事道具を、塊へと向ける。多様な波長の光が物体へと照射される。光によってその物体が何からできているのかを同定するための装置である。もっとも簡易的なものであったから、詳しいことはわからない。

 いつもよりも時間がかかって装置が結果を表示した。

 アンノウン。

「…………」

 この物体は、ディグとダグーのいる宇宙にはない物質ではないのかもしれない。かもしれないというのは、簡易的な装置であったから、七割しか確かめられないのだ。あくまで簡易的なものなので、重要なものしかわからないのだ。こういうときにちゃんとした装置があれば――ディグは悔やんでしまうものの、しょうがないとすぐに切り替える。うだうだ言っていても何かが変わるわけでもない。

 物体はもろく、掘り進めるのは容易だろう。粉末にならずある程度の塊となって飛散するので、吸引することもなさそうである。白い塊が有害な物質であったとしてもその影響を受けるのは少ないと考えられた。……この白い世界の中ではどのような物理法則が働いているのかわかったものではないのだが。

 それに何より、背後からは自分たちの宇宙が迫ってこようとしているのだから、壁を掘り進めるほかなかった。とはいえ、かなりの距離を歩いてきたことで、膨張する宇宙の端は見えなくなっている。

「ハッパはいくつ持ってきた」

「掴めるだけ持ってきたからちょっと待ってろ。ひいふうみい……十本だ」

 十本でどこまで穴が開くか。もろい素材であったから、かなりの量を爆破できそうであった。爆破したことによって発生したがれきを撤去するという手間はあったが、それでも手で掘るよりはずっと速い。

「よし、とにかくやってみよう。この先に未知の鉱石とやらがあるのは間違いなさそうだからな」


**********


 低く鈍い音が真っ白な世界に轟く。遅れて、白い煙が塵とともに穴から吐き出されていく。

 手元のスイッチを置いたダグーは、煙が収まるのを待ってから穴へと入っていった。

 穴は直径2メートルほど。指向性爆薬によって開けられた穴がどのくらいの長さなのかは、ダグーにもわからない。

 指向性爆薬はある特定の方向にのみ炸裂する爆薬だ。穴に突っ込めば、突っ込んだ穴を中心とした直径二メートルの円を底面とした円柱が出来上がるというわけである。どこまで円柱が伸びていくのかは、爆破した材質による。ライトマター(ディグ命名)は柔らかいので、かなりの距離が爆破できたのではないだろうかとディグはひそかに期待していた。

 爆破が行われ、がれきを除去し、また爆破。それを十セット繰り返す間、ディグは未知の鉱石が何なのかを考えていた。

 鉱石というのは、自然にできるものである。固まってしまった溶岩に何かしらの圧力がかけられた際にできることが多い。溶岩の成分や圧力のかけられ方によって、無限の鉱石が誕生する。もちろん、いくつかの例外もある。

 しかしながら、目の前の白い物体は溶岩ではないし、それらが冷え固まったものでもない。鉱物のできようがないのだ。少なくとも、ディグとダグーの宇宙ではそういうことになっていたが、だからといってこの世界でもそうとは限らない。

 ただ、未知の鉱石というだけあるのだから、恐らくは見てそれとわかるのだろう。――ディグはそのように考えていた。もしくは、鉱石というのはただの比喩なのかもしれなかったが。

 最後のがれきを撤去し終えると、ディグとダグーは小休止する。採掘作業というのは過酷なもので、最新鋭の宇宙服を見にまとっていたとしても、大変な労力を払わなければいけない。先ほど使用した指向性爆薬のような命に係わる道具を使用したり、宇宙空間や有毒ガスの漂う洞窟の中で採掘を行わなければならないことだってあった。それに比べると、今の環境は天国か、仮想現実上でテストしているときに近い。快適ということだ。汗もかかないし、疲れは感じるものの眠くもならない。喉も乾かなければ、お腹も空かない。まるで夢を見ているかのようだ。

 しかしながら、爆発の衝撃も、がれきの重さもそこには確かに存在している。夢というわけではなさそうだ。

「ハッパを仕掛けてみたが、まとめて粉々にしてはないよな……」

「それはないだろう。がれきの中に鉱石と思われるようなものはなかった」

 念のため装置で検査をしてみたものの、どれもこれもアンノウン――同一の未確認物体であった。別種のアンノウンは確認されなかったため、そのようにディグは判断した。

「もっとも、これそのものが鉱石という可能性はあるが」

「これが?」ダグーは足元に転がるつぶてを拾い上げる。「みろよ、チョークみたいだ」

「私たちにはそのように見えるだけで、レスにとっては宝石なのかもしれないな」

「そりゃあ、かわいそうに。こんなものが宝石に見えちまうなんて」

 ダグーは笑っていたが、ディグは曖昧に微笑むだけにとどめた。あの男は、明らかに浮世離れしていた。ともすれば異界の存在のようにも感じられるほどに。自分たちの宇宙とは別のところにいる彼ならば、このがれきのようにしか見えない白い塊に何かしらの美を感じてもおかしくはないのではないか。

 しかし、自分たちは違う。それはレスだって理解していることだろう。だとすれば、未知なる鉱石はやはり、ディグやダグーから見ても鉱石のように見える物体に違いない。

「だといいがな」

 自説を展開したディグにダグーは言った。

「鉱石がなかったら、オレたちは骨折り損のくたびれ儲けってわけだ」

「前払いで金塊をたんまりもらっただろう。儲けにはなっているさ」

 もっともダグーがそういう金銭的なことを言っているわけではないことくらい、ディグにも理解できた。ダグーはそのようなものに惹かれるような俗な男ではない。ダグーはお金なんかよりもずっと輝く鉱石に首ったけなのだ。もちろん、それはディグも同じ。

「とにかく、掘ってみようではないか。嘘か本当かなんて、どうでもいいことさ」

「だな」

 ディグとダグーは肩を並べて穴へと入っていく。

 穴の中は真っ暗であった。ディグは機器の明かりを点灯させる。ほんのりとしたオレンジ色の光が、あたりを同じ色に染め上げていく。壁の中も真っ白のようだ。模様一つ筋一つない。

「やはり、堆積物ではないのか」

「なんだかプラスチックみてえだ」

 プラスチックよりもはるかにもろいが、そう言われてみるとなるほど確かにプラスチックのようだ。どこまでも真っ白なのは自然にできたわけではなく、何者かの意志によって形作られたからと考えることもできそうだ。

 それがどのような存在なのか、ディグには断定のしようがない。ただ、パッと思いついたのは神様だった。別に、信心深いというわけではなかったが、超常的な力を有しているのは神様くらいのものというだけだ。しかし、神様の仕業だとすれば、あのレスという男はますます怪しくなってくる。陰気臭いレスが神の御使いとはにわかには信じがたい。というか信じたくなかった。

 とにかく掘り進めていく。つるはしを振るい、神様がつくりたもうた可能性のある物質を削り取っていく。はじめこそは、がれきを外まで運んでいたものの面倒だということで、穴のわきに避けることにした。

 延々と掘り続ける。どこまでもどこまでも……。

 物質は、背後の宇宙のものとは違い、どこまでも同じ白で統一されている。これこれこういう目印があるから、こっちの方にお目当ての鉱石はあるのではないか――そのような目星をつけることさえもできない。機器もアンノウンとしか返さない。こういう時に頼りになるのがダグーの勘だ。勘と侮るなかれ、かなりの高確率で命中する勘だ。もちろん、その勘が機能するのはディグの正確な情報分析があってのことなのだが、今回はそれがあてにならないのだから、ダグーだけが頼りだった。

 ダグーの直感に従い、掘り進めていく。坑道は、あやふやなダグーの勘にしたがって、グネグネとうねり、時にはループを描くようにしながら、自由に進んでいった。上へ下へと縦横無尽。ループしながら戻ろうとしているのを感じとった際には、ディグは頭を抱えた。論理的に突き詰めて考えるディグにとって正反対のダグーの行っていることは理解できないことの連続だ。だからといってダグーのことが嫌いというわけではない。むしろ正反対だからこそ、ディグは好きなのだ。何をするつもりなのか予測がつかないから。

「出会った時のこと、覚えているか?」

「いきなりなんだよ」

「退屈まぎれに昔の話さ」

「そうだな。あの時のことなら、鮮明に覚えてるぜ。オレが殴り合いのケンカをしてたときに、アンタがやってきたんだ」

 ダグーの目が、過去を懐かしむように細められる。

 あの時は、ひどい雨だった。天気予報は晴れだといっていたにもかかわらず降り始めた雨は、瞬く間に土砂降りになった。傘を持っていなかったディグは駆け足で帰路についていた。

 雨の音に紛れて、肉を打つ音が聞こえてきたのは、路地の前を通ろうとしていた時のことであった。何の音かと立ち止まっていると、路地の暗がりから男が吹き飛ばされてきた。地面を何度か跳ねた体はゴロゴロと転がり、ディグの足元で止まった。

 男の顔は餅のようにぷっくらと膨れていた。唇は切れていて、何者かに殴られたようであった。路地の向こうの暗がりからは鈍い音が断続的にやってきていた。そちらの方を見れば、人影がもつれ合っているのがかすかに見えた。

 喧嘩だ。

 いつもならば、その場を立ち去っていただろう。しかし、転がってきた男が手にしていたナイフを目にしたディグは、何やら剣呑なことが起こっているのを察知した。

 どうするべきか。ディグは腕っぷしには自信がない。喧嘩に割って入っても、止めるどころか怪我をするだけだ。

「警察がやってきたぞ!」

 ディグは大声で叫んだ。ナイフを手にして喧嘩するくらいなのだから、やましいところがあるに違いない。そう考えてのことであった。

 実際、喧嘩をしていた人影がぴたりと止まる。何やら、ささやきあう声。そののちに、何かが倒れる音がして、続いて足音が遠ざかっていくのが聞こえた。

 しばらくの間――警察から逃げ出した集団が戻ってくる可能性もあったからだ――様子を見ていたディグは、意を決して路地へと近づいた。

 路地には男が倒れていた。その男というのが、ダグーなのであった。

 どうみても、大怪我だった。救急車を呼ぼうとしたディグを止めたのはダグーだ。

「救急車は呼ばないでくれ……」

「バカなことを言うな。お前は骨折してる」

「だが、病院にはアイツらの仲間が」

「お前をリンチしたやつらか」

 満身創痍のダグーが頷いた。

「何者なんだ?」

「借金取りさ」

「借金取りにしては随分と手荒なことをやる」

 最近の借金取りは、昔ほどに比べると暴力に訴えることはない。人類は銀河中に広がっていったので、逃げられると追いかけようがないからだ。だから、差し押さえを、金融機関に求めることができるようになっている。預金や資金が電子化されているからできることであった。もちろん、正式な書類が必要となるのだが。

 そこまで考えて、ディグはピンときた。

「よりにもよってサラ金に借りたのか」

「どうしてわかった」

「わかるさ。真っ当な金貸しなら法律の範囲内で貸し出すからな。だが、大方一度に借りられる金額が少なかったのだろうさ」

 借金は法整備が行われ、至極まっとうな職業となっている。しかし、法律によって貸し出すことができる金額と利息が定められてしまったことにより、大金を求める人間にとっては何の意味もなかった。

 そこで、サラ金業者の登場である。クリーンな業者が出すことができない大金を貸し出すのだ。対価は、法外な利息。法律に反しているのだから、書類もない。信用に足る書類がないから、様々な問題が横行しているという。だから、手を出す人間は年々減少していると聞いていたのだが。

 目の前の男は、あさましくも手を出してしまった。

「お金が必要になったのはなんだ。酒かクスリか」

「ちげえよ」

「じゃあ何のために」

「……母が病気になった」

「…………」

 ディグは、ダグーが身の丈以上のものを求めたために借金をしたと考えていた。しかし、実際は違った。難病を患ってしまった母を治療するためのお金を必死になってかき集めたのだろう。

 恐らくは、宇宙線の過剰被ばくによって、身体がボロボロになってしまったのではないか――最近、貧困層の間でそのような病気が流行っているのではなかったか。旧式の宇宙服で船外活動を行う貧困層は、宇宙線を通常の何倍も受けてしまう。その結果として、様々な健康被害が報告されていた。実際、ダグーの母親は宇宙へ出ることが多かった。

 ディグは自らの非を認めて、謝罪の言葉を口にした。別にいい、とダグーは顔を背ける。

 謝ったものの、ディグの中には大きな後悔があった。それに何より、目の前に倒れ伏している男は自分とそっくりだと親近感のようなものさえ感じていた。

 ディグにも経験はあった。彼の場合は父親が病床に臥せ、そして亡くなってしまった。

 ディグは腕を組む。見ず知らずの人間にお金を貸すなんて、バカげている。アウトローな借金取りにお金を借りるくらいだから、かなりの額を必要としていたのだろう。

「医療費は払ったのか」

「ああ。もっとも治るのかは五分五分らしいが」

 となれば、残る問題は借金がどこまで膨れ上がっただろう。ブラックな金融機関であれば、かなりの利息が積みあがっているに違いない。

 それを払えるだけのお金が、ディグにはあった。その当時、ディグは地質学者として名をはせているところであり、論文雑誌や討論会に引っ張りだこでお金には不自由していなかったのだ。貯金はそれなりにあったのだが、それを払うだけの価値が目の前の男にあるのだろうか。

 いや――。

 ディグは決めた。しゃがみ込んだディグはダグーへとカードを差し出したである。

「あの時は、どうかしていると思ったけどな」

「どうかしているとはなんだ。借金を立て替えたっていうのに」

「それがどうかしてるっていうんだ。普通、他人の借金を肩代わりするわけねえだろ」

「まあそれはそうなんだが、あの時はまとまったお金があったし、お前なら必ず返してくれるだろうと思ったから貸したんだ」

「ディグ――」

「あとは、私の仕事を手伝ってくれる人間が欲しかったというのもある。鉱石採掘なんて誰もやりたがらないからな」

 人類が宇宙へ飛び出して、はや五世紀。人類は宇宙に対する好奇心を失ってはいない。それどころか、年々強まっているようにさえ思われた。しかしながら、人々は宇宙の果てを追いかけようとはしても、惑星そのものに対しては興味を示していなかった。どの惑星にも同じような鉱石しかないだろうと考えられていたからだ。実際はそうではなかった。未知の鉱石がいくつも見つかったのである。

 それらを見つけたのが、ディグとダグーだ。

 二人が鉱石を探し始めたそのきっかけは、ディグの夢が始まりだ。それにダグーを巻き込んだ。

 ダグーからすれば、初めて聞かされた話であった。彼は、純粋な善意から肩代わりしてもらったと思っていた。まさか、建前だったとは思いもしなかった。

 唖然としていたダグーであったが、口角を上げる。

「そんなことだろうとは思ってたさ」

「嫌だったか?」

「きついな。まあ、楽しいし、借金を返済してもらったのは事実だからな」

「借金がなかったら?」

 ダグーが考える。「最初の頃なら、やらないと断言していたな」

 ――もちろん今は違うぞ。

 笑いながらダグーが言う。ディグも釣られて笑った。


______________


 また、つるはしが音を上げる。硬いものとぶつかったような軽い衝撃がディグの手元までやってきた。

 金属音にも似た音は狭い坑道の中に響き渡る。

 ディグとダグーは顔を見合わせる。

 もしかしたら、未知の金属を発見したのかもしれない。

 そのような考えが、二人を駆け巡る。

 硬質なそれを傷つけないよう、慎重に周りを掘り進んでいく。

「これは板か……?」

「板というよりは壁ではないか?」

 今まで掘り進んできた物体とはまた別の硬い物質は、壁のようにどこまでもも横へと広がっているようである。上へ掘ってみても下へと掘ってみても、その壁はある。

 つるはしで突いてみると、甲高い音が生じて、ダグーが顔をしかめる。ザリザリザリと壁を引っ搔いてみると、不快な音は増した。

「お、おい。それ以上は」

「ちょっと待った。傷がついていないか……」

 壁には傷一つなかった。つるはしの先端はわずかに丸くなっているように見えた。つまり、つるはしよりも壁の方が硬いということだ。

「指向性爆薬はまだ残っているか」

「ないね」

 ダグーがつるはしを両手で握り締め、勢いよく振るう。壁とつるはしとがぶつかった瞬間に、火花が散った。

 火花とともに、キラメく何かが飛び散った。

「おおー痛いな」

 つるはしから手を離し、手を振るダグー。壁には小さな穴しか開いていなかった。筋骨隆々の大の大人が全力で振るって拳ほどの穴さえも開けれられないとかかなりの硬度だ。

 ディグは地面に光を向ける。その硬い物質を探すと、光を反射させるものが転がっていた。それを摘まみ上げる。

 それはひんやりとしていた。ピンク色の鉱石だろうか――いや違う。石の向こうの指が透けて見えているのだ。つまりこれは透明な鉱石ということになる。

 壁へと向けてみると、壁の白がよく見えた。光を当ててみると、光がまっすぐに突き抜けていく。

「なんだそれは」

「水晶ではないな。光がまったく屈折しないというのは妙だ。鉱石というよりは硝子といった方がいいかもしれない」

「神様がつくったりな」

「…………」

 最初にも想像したが、あながち冗談ともいえなかった。

 黙り込んでしまったディグに、ホントに、と驚きの声がかかる。

「分からないが、自然にできたとしたら奇跡だ」

「だからって、神様がつくったっていうのもおかしくねえか」

「そりゃあそうかもしれないが、今はわからないのだから、そういうほかないだろうさ。それよりも、この透明な部分は削っていけそうか?」

「時間をかければできるかもしれないが、つるはしだと現実的ではねえな。もっと大掛かりな機械でも、いくつも破壊して何とかってとこだろう」

「無理か」

「無理だな。人の手には余る」

 ディグは腕を組んで考え込む。ディグも同意見ではあったが、ここまできて未知なる鉱石とやらを見ずにすごすご引き返すというのが、癪だった。レスのにやけ顔が目に浮かんできて腹立たしいことこの上ない。しかし、透明な壁を貫くことができないのは紛れもない事実であった。

 この先に、誰も見たことのない鉱石があるのかもしれないのに――。

「それが、未知の鉱石という可能性はないか?」

「これが?」

「ああ。ディグが見たことない鉱石なら、未知のものかもしれねえじゃねえか」

 確かにその可能性はあった。装置にかざしてみても、アンノウン。はじめて見つかった鉱石かもしれない。

 これがそうなのだろうか。

 ディグは、透明な壁の向こうへと視線を向ける。どこまでもどこまでも白が続いている。キリがないように感じた。

 ディグの肩をダグーが掴む。

「とにかく戻ろうや。今はどうしようもないしな」

「……わかった」

 ディグとダグーは坑道を引き返す。ちょっと行ったところで、光が発生し、そして二人の姿は見えなくなった。

 あたりは再び闇に包まれたのである。


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ディグディグダグダグダダダダダッ 藤原くう @erevestakiba

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