第一話
「蓮!おはよ!」
「………んぁ。おはよ、ユキ」
朝のルーティーン。
俺は絶望的に寝起きが悪いから起こしてもらってる。
朝から幸せです。
「蓮、ご飯」
「あ、ちょい待て。今から作る」
「はぁい!」
ユキは家事絶望的にできない。
洗濯機使わせれば泡だらけ、皿洗いさせれば泡だらけ、料理させれば煤だらけ。
むしろ天才かもしれん。
リビングのソファで横になってこっちをキラキラした目で見てくる、その状況でご飯を作る。
しっぽがあれば間違いなくぶんぶんだっただろう。
「何食べたい?」
「パン!」
おーん、おかずのことだったんだがまぁいいか。
かわいいからしかたないね!
「トーストする?」
「蓮ベーコンエッグつくろうとしてるでしょ?だから焼かなーい」
「はいよ」
よく見てらっしゃること。
ぱっと作ってさっと…えっと、さっと…並べる。
なん…あれ?
「食べて良いー?」
「あ、いいよ」
「いっただっきますー!」
モシャモシャパンにかぶりつくユキ。
それはもうまるで………
「リス」
「んみゃあ?」
いやほっぺパンパンになるまでご飯詰め込むやつユキ以外に俺しらねぇ。
「〜〜〜〜!?!?」
「水」
案の定喉に詰まらせた。
「んくっ、ぷへぇ。死んじゃうかと思った」
「もうちょい口に入れる量減らせよ」
「ほーい!」
これだけでわかるだろう。ユキはポンだ。どれくらいかと言われれば、佐藤寿郎を間違えるのは当たり前、テストの日を1週間間違える、買い物に行くのに財布忘れる、着替えるの忘れてパジャマで外出しかける(慌てて止めた)などなど、キリがない。
まぁそこもかわいいんだけどね!!
「蓮、今日は何する?」
「んー、何する?」
「二度寝!」
「え、11時間寝てまだ寝るのかよ」
「だめ…?」
「よし二度寝するか」
いや上目遣いだめ、強すぎる、可愛すぎる。
どれだけかわいいかと言われればちょっと前子猫1匹出てきたらわらわらわらぁって出てきた動画あったじゃん?
それの倍はかわいいね。少なくとも。
飯食ってベッドに入って二度寝しようとしたは良いものの当たり前だが寝れない。
もうなんなら10時だし。
「蓮、寝れん?」
「いやまぁそりゃなぁ。ユキはもう寝れそうだな」
「うん…、もうねれるよぉ…」
え、恐ろしいこの子。
ぎゅ。
「これで寝れる?」
「いやもっと寝れんようになったわ………」
やることなすこと全部がかわいい…。
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