とある山賊団の記憶

うゆま@豆腐卿

とある山賊とヒヨコのお話

山賊「ひゃっはー!!ボス!!獲物がいたぜぇ~!!」

ボス「でかした!!」


ヒヨコ「ピヨピヨ」


ボス「捕まるとはかわいいくらいにバカめ!!大きくなるまで肥えさせてでっぷりとした鶏にしてやるわ~!!それまでは暖かい環境でみっちり大事に育ててやるぞ~!!野郎共!!」

山賊「ヘイ!!鶏小屋の建築だぜェ~!!」


山賊「へへへ…これでもう逃げられねぇぞ~!!外から人は勿論犬どころか鼠さえ侵入なんて出来ねぇくれぇに頑丈に作ったからなァ~!?絶望したかァ!?」


ヒヨコ「ピヨピヨー♪」


ボス「見ろ!!外に出られなくて絶望のあまりプルプルしてやがる!!超かわいいぜ~!!」

山賊「げへへ、たまらねぇぜ~!!」


~(●▲●)~マンドラゴラ(時間経過)


山賊「…」

ボス「…」


元ヒヨコ→不死鳥「よくぞ我を大事に育てここまで成長させてくれたな…感謝するぞ」


山賊「…嘘でしょ…」

ボス「…ヒヨコじゃなかった…可愛かったけど…」


不死鳥「礼をしたい。何が望みか?我が血か?羽か?」


ボス「…の、望みは」


山賊「良かったんですかい、ボス…グスッ」

ボス「…いいんだ。可愛いから育てただけだ。礼の為に育てたんじゃねぇ…グスッ」

山賊「健やかに長生きしてくれって不死鳥にいう願い事じゃねーですよ、グスッ」

ボス「大事に育てたんだ…それ以外の望みが何があるってんだ…グスッ」

山賊「…」


不死鳥はあのたった二人の心優しい山賊団を忘れない。血も羽も望まず、不死の自身へ健やかに長く生きろと望んだヒトなどいなかったから。そして不死鳥は少しだけヒトの味方になろうと思った。この先、望まれたように、健やかに千年くらいは。


そして不死鳥は勇者の味方をして世界を救う一翼を担った。


その勇者のこと、世界のこと。

それはきっと、どこかで語られるべきお話。


そして不死鳥だけは、あの二人を忘れない。

健やかに長く生きろと望まれたのだから。


《おわる》


マンドラー(~●▲●)~(・v・F)ピヨピヨ

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