年下は恋愛対象ですか?

赤猫

ソシャゲ課金OLは今日もコンビニへ

 私はコンビニにソシャゲの課金のために必要なプリペイドカードを買いに行くしがないOL佐藤千里さとうちさと

 恋人いない歴24年のイケメンアイドル育成ゲームにどっぷりと月ウン万ゲームに課金して食費を削って貯金しながら推しのグッズを買ったりしている何も変哲のない女だ。


 今日も自宅のアパートから徒歩10分のコンビニ課金をするために歩く。


 コンビニの中に入ると「いらっしゃいませ」と明るい声で言ってくる男の子がいる。

 私は彼の若さが羨ましくなった。


 私がバイトしてた頃なんて「らっしゃーせ」とか雑に言っていたからかな?


 目的のプリペイドカード1万円分を2枚取ってついでにイベントを走るために必要なエナジードリンクを買い物かごに入れてレジに向かった。


 社会人って最高お金を稼げるって素晴らしい。

 推しのためにしかお金を入れていないせいでファッションだったり化粧品だったり色々雑になってるけど推しのためならなんのその。


 化粧品は百均の物を買ってそれで済ませている。

 周りの友人はブランド物を買っていて「千里も買いなよモテないよ?」と煽られるが無視している。


 化粧1つで彼氏ができるのなら全国の女性しているだろうに。


「クレジットカードでお願いします」


 私は未来の私にこのお会計のお支払いをお願いすることにした。

 高校生の時は現金払いが主だったのに今では電子マネーかクレジットカードが主になってしまった。

 これが大人になるということなんだろうなとしみじみ思う。


「はいここにカード差し込んでください」


 私は指定された場所にカードを差し込んで支払いの完了を伝える電子音が鳴るのを待つ。


「あの…」


 男の子の店員さんが恐る恐る私に声をかける。


「なんですか?」

「その毎週ではないにしてもコンビニその…プリペイドカード毎回買いに来るじゃないですか」


 覚えられているのかたかが客をこの子は記憶力がいいな。


「はい、そうですね」

「それでその…なにか詐欺にあってるとかそういったことは…」


 なるほど私はこの子に詐欺にあっていないか心配されているらしい。

 他人に対してそこまで心配するなんていい子だなお姉さんである私がなにか奢ってあげようかなと思った。


「大丈夫ですよ。私ゲームにお金入れてるだけなんで」


 私のその言葉を聞いて男の子は「よかった」とふにゃりと笑って呟いた。


 この時は本当にただいい子な店員さんだと思ってたんだ。

 まさかそこからあんなことになるなんて思いもしなかったけど。


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