オークスレイヤ
ハモンド
第1話
この話は......
かつて、この地球の上で...
【生命が過去と未来を何度も繰り返していた時のとある時代】の途方もなく多くの話の一つ............
...まだ人が魔法を信じ......神様が魔法を使うことを許していた時代...
...まだ人と【エルフ、妖精、ケンタウロス、ユニコーン、ペガサス、人魚、セイレーン、、オーク、ゴブリン、トロール、アンデッド、そしてダークエルフといった異世界の住人】とが共存する事を神様が許していた時代...
【今の私達】から見ると、中世ヨーロッパと北欧神話の世界が混在した様な世界......
街並みは漆喰や木材中心に作られた建物や城壁や城も存在した。
人々の服装もまた、チュニックや鎧、マント、ドレスが主流だった世界.
職業もまた、国王、騎士、地方の領主、商人、魔法使い、漁師、海賊、盗賊......
その時代の世界全てが....
【所謂ファンタジー世界】を連想させる時代......
物語は...
そんな時代に存在した、
とある人間が多く住む、
とある国...
その国の城下町の一角に....
そこに小さな酒場があった。
その店は1年前に開店したばかりで、中年のマスターが一人で切り盛りしている。
その店は、落ち着いた雰囲気と親切なマスターがウリの店だ。
ここから始まる......
この日は夕方から降り出した大雨のせいか客は来ず、酒場は開店休業の状態だった...
マスターは、「もう今日は店終いにしようかなぁ...」と思いながら、
明日の仕込みをしていると...2人の男が入って来た。
1人は雨に濡れたマントを羽織り、短髪に刈り上げた頭...顎には無精髭を生やした大柄な男で時々店に来る常連の一歩手前の客だった。
もう1人の男はマントを羽織り、こちらも短髪で剃り上げられた顔
しかし、その顔は憔悴しきっている様子で、血の気が失せていた...
2人共...マントの下に鎧を着込み、その腰元には鞘に収められた剣が見えた。
2人は店のカウンター席に座ると、無精髭の男はマスターに酒をジョッキで2つ注文した。
木製のジョッキに並々と酒の薫りが、カウンターに注がる。
それを受け取った2人は一息にジョッキを煽る。
一杯、二杯と続けてお代わりを注文して飲み干した。
無精髭の客は『くぅ〜〜♪疲れ後に酒は五臓六腑に染みるなぁ〜〜♪』と言って、
豪快に酒を楽しんでいた。もう1人の鎧の男は.....
「そうだな」...「ああ...」無精髭の男の話を生返事をする。
酒に口をつけるが、全く酔っていない様子だった......。
マスターは男達に軽く世間話をしたりしてみた。
その話から、2人が兄弟であり、無精髭の男はフリーランスの傭兵で、
この国の傭兵事務所に所属しているらしい。
もう1人の男は、
無精髭の兄で【彼もまたフリーランスの傭兵で、彼の場合、世界中を股にかける指折り屈指の傭兵なのだとか.....】
その内......無精髭の男が兄と話始めた。
「なぁ、兄貴どうしたんだよ?
今日俺...久々の大きな依頼で
【村の女達を連れ去ってから強姦する事で有名なゴブリン100匹の群れを皆殺しにして、その100匹の首を事務所に届けたから、報酬がたんまり入ったから、久々に俺の奢りで兄貴を誘ったのによ。
なに白けてるんだよ?
それに、この酒場をリクエストしたのだって兄貴だろ?
それなのに酒場に来てから.....
ずっと黙ったままでじゃねぇか
......何かあったのかよ?」
無精髭の男は、兄のただならぬ様子から心配そうに話しかける......
そんな2人の様子を見ながら、聞き耳をたてるマスター...
そんな兄が......しばらくして...
弟の方に、ゆっくりと顔を向ける...
そして一言......
「お前......それとマスター...アンタ達...
【オークスレイヤー】を知ってるか? 」
「「!!??」」
そのワードを耳にした弟とマスターは戦慄した!!
【オークスレイヤー】......
この世界で、その名を知らないものはいない.....
有名な騎士だ......
【...恐怖の存在として...】
その通り名の通り、主にオークを狩る騎士らしい......
誰に雇われる事もなく...
何処に国に属しているわけでもなく...
ただオークと...奴らの悪行に関係した、ゴブリンや人間を含めて殲滅するらしい。
これまでに、【この世界の半分のオークを殲滅した】とも言われており、人間と友好関係にあるオークの集落も殲滅しているのだとか.........
そして恐ろしい事に......
オーク達に攫われて、
無理やり身篭らせた女達も......
その女達から産まれたハーフオーク達の子供達も......乳飲み子も...
【オークスレイヤーに首以外をミンチにされて、その首をオーク達の犠牲になった村の入り口に晒し首にさせるそうだ】
逆らったら、その村も消されているらしい...
皆......噂でしかその姿を認識していない......
その姿は、漆黒の禍々しい鎧とマントで身を固め......
その鎧から、常に霊障を放出させて、近くの生き物を死に至らしめ......
【人間も含めて......】
奴の通った後には、死体や枯れ果てたモノしか残らないらしい....
そして...奴の腰に収められた剣は......
一度鞘から解き放たれら最後......
その場にいる【敵】を全て【切り刻んでミンチ】にするまで...
再び、鞘には収まらないのだとか......
その正体はおろか...
素性については誰も知らず......
人間なのか...
モンスターなのか...
誰も知らなかった......
「何だよイキナリ!
知ってるけどよ!
その騎士の名前を言ったり、聞いたりするだけで不吉の前兆が起こるって、もっぱらの噂だ!
アイツは絶対【魔物か魔王】だって!そんな奴の名前を何で言うんだよ!」
唐突な兄からの言葉に......
弟は、兄に食ってかかる!
マスターは冷や冷やしながら......
兄から追加で酒のお代わりを注文してされる...
兄は出された、それを一気に飲み干す...
それを何度も...何度も繰り返した...
そうして......少し酔ったのか...
やっと顔が少し赤く染まり、落ち着いた兄は再び口を開いた........
「これから話す事は、報告書にも書いて雇い主にも提出するが......
【もしも】の時のために...
お前に話して置こうと思ってな...」
そう言って、弟に向かって笑いかける...
「【もしも】って......
どんだけ怖い目に合ったんだよ!?
まさかオークスレイヤーとやり合ったのか!?」
兄の言葉に更に戦慄する弟......
「いいや...まさか...あんな奴に勝てる訳ない...違うんだ......」
弟に首を振る...
マスターが「私は外しましょうか?」と言ったが...
兄は「聞いて欲しい」と言われたので...
マスターはその場にとどまる事に...
兄は続けた...
「先月.....俺はとある【大物】からの依頼で【オークスレイヤーの正体を調査をする事になったんだ】......細心の注意を払うようにしてな......」
「えっ!?奴の正体!?」
兄は話を続けた......
彼の話によると.......
オークスレイヤーの被害は、日に日に増していくばかりで【その大物の雇い主】にも被害が及んでおり...その中には、人間と友好関係にあったオークの村や街を含まれていた...これ以上の被害を出さない為にも......また予想される甚大な被害に見舞われている事を恐れて、諜報活動に長けた兄に白羽の矢が立ったのだという...
兄に課せられた依頼は、
【オークスレイヤーの正体と討伐する為に必要な情報を収集する事】だった.......
「そして......」ゴクリッ!
ここで、酔って少し赤くなった兄の顔が...【再び真っ青に染まった】
どうやら...【オークスレイヤーの事】を思い出した為に、
一気に酔いが醒めたのた様だ...
「俺は偶然......奴の正体を見ちまったんだ...」
「えっ!?」
弟が驚愕する!
マスターは少し離れてたところで、追加注文された酒を準備していたが、
彼の発言でジョッキを落としてしまった。
慌てて新しいジョッキを用意して、酒を注いだ...
「しかも【そいつの事を俺は知っていた!】」
「なっ!?誰なんだよ!俺も知ってる奴か!!」
弟は身を乗り出して、兄に詰め寄った!
マスターが酒のお代わりを2人に手渡す....
兄はそれをまた一気に飲み干し...
マスターにお代わりをお願いする。
そして一息付くと...
「先ずは、お前もよく知ってる【あるカップルの騎士達の話】について話そう......」
「カップルの騎士?.........
!?Σ('◉⌓◉’)おい!それってまさか!!」
弟は【何かに気がついた】らしく、兄の顔を凝視して。
「そう、あの悲劇のカップル騎士【聖騎士 ルークと 乙女騎士 ティナ】だ......」
【悲劇のカップル騎士 聖騎士ルークと乙女騎士 ティナ】......
この世界では、有名な話しで......
知らない奴はいない......
今から50年前に遡る......
その頃、2人の騎士が活躍していた......
1人は【ズバ抜けた戦闘力と正義感と勇気を兼ね備えた好青年 聖騎士 ルーク】
もう1人はルークの相方で【戦闘能力と正義感と勇気、そして慈愛を兼ね備えた美貌の乙女騎士 ティナ】2人は昔から幼馴染で、将来を約束し合ったカップル騎士だった。
2人は、決まった国に属さず、困っている者がいれば、例えそれがや異人種であっても関係なく依頼を請け負って助けていた。
そんな彼らに悲劇が起こった......
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