ゴブリンプレイヤー

維 黎

第0話 ・・・・・・

 訳が分からなかった。

 気が付けば見知らぬ場所で、見知らぬ人から石を投げられた。

 ただ訊ねたかっただけなのに。

 ここがどこなのかと。

 近づこうとすれば鬼のような形相でさらに石を投げられ、その一つが額に当たった。

 酷く痛かった。夢ではない。

 このままでは殺されると思い悲鳴を上げて逃げ出した。

 どこをどう逃げ回ったのか覚えていない。

 額がジンジンと痛み出し、触ってみるとヌルッとした手触り。

 指には青い液体。血というよりは汁のような。

 

 幸運にも小川に出ることが出来た。

 喉の渇きを潤そうとした時、水面に顔が映る。


「アギャ、ゴゥーギャ!」


 自分では『何だ、これはッ!』と叫んだつもりだった。

 小川の水面に映る自分の姿が理解できない。

 ゲームでプレイしていた鬼畜――ゴブリンのかおがそこにはあった。

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