白色の英雄

ファスカ

第1話 門出

「父さん、母さん行ってくるよ」

俺は今故郷を出るもうなにも残っていない

ただの平原だが…

そしてあの10年前の出来事もしっかりと覚えている…

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「とうちゃーん!、かぁちゃーん!

 はーやく!」

「はは、ビャクヤそんなに速く走ると危ない 

よ」

「ビャクヤ心配しなくても時間はたくさんあるわ」

俺は家族みんなでピクニックに行った

あそこは花が咲き誇り俺が生きてきた中で

一番綺麗な場所だった

「ビャクヤも明日で5歳かぁ、早いなぁ」

「そうね、昔はあんなに小さかったのに」

「ビャクヤの『色』は何色なんだろうなぁ?」

「もちろんとうちゃんとかあちゃんの『色』

の赤と青だよ」

「あらあら、嬉しいわね。けどねビャクヤ

基本的に『色』はね1人1色しか貰えないのよ」

「えー!そうなの」

「いいよー、僕は何色でも『七英雄』を目指すんだー」

「そうかそうか、叶うといいなぁビャクヤの夢明日が楽しみだ」

そう俺もあの日は胸を踊らせていた

自分がどんな『色』が与えられるかを

だけど俺たち家族に明日は来なかった

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その日の夜


俺の村には今までみたことのないような状況

だった

家屋が燃えたことによる焦げ臭い匂い

あたり一面には血飛沫があった

「ビャクヤ!今すぐ隠れろ!」

その時俺は父さんのあんなに真剣な表情に

驚きながらも瓦礫の中に隠れた

「母さん、ビャクヤだけは守り抜こう」

「えぇ」

「まさか本当にこんな辺境の村にいるとはなぁ」

「えぇ、そうですね

では自己紹介といきましょうか

私は『十人の審判』第5席ナーヴァと申します

まぁあなた方は死んでしまいますので

覚えておく必要もありませんがね」

「同じく『十人の審判』第4席ゴウキだお前らみたいな強者と戦えるなんてなぁ

ワクワクするなぁ」

「一応聞いておきますがあなた方は『コロシアムの英雄』ヤトとシズクで間違いないですね?」

「さぁな、その称号はとうに捨てたつもりだが?」

「そうですか、まぁ私たちは命令を遂行

するだけです」

「そうか、母さんいくぞ」

「えぇ準備はできてるわ」

そこから父さんと母さんは『十人の審判』と

名乗る二人組ゴウキとナーヴァと戦った

その時の父さんと母さんの火と水の力を

用いた戦い方はとても綺麗で今でも鮮明に

覚えている

しかし母さんと父さんは徐々に削られていき

最終的には…

「強かったですよヤト、シズク」

「テメェらが現役のときだったら俺らも

ヤバかったかもなぁ」

「おい、ナーヴァこいつらにとどめを

ささなくていいのか?」

「いいですよ、どうせ後数分の命です

ほっといても死にます」

「そうかじゃあな」

そういってあいつらはいなくなった

「とうちゃん!かあちゃん!大丈夫!?」

「ビャクヤ、父さん達はなもう長くは生きられないだから今からする話をしっかり聞くんだぞ」

その時の俺は妙に冷静ですぐに

「うん」

と返した

「ビャクヤ、これからあなたにとって辛いことはたくさんあるかもしれないけど挫けないで

人を憎まないで弱い人たちを助けてあげて

そして友達をたくさん作って身体は清潔に

好き嫌いはしたらダメよ」

「母さんにほとんど言われてしまったな

ビャクヤ、強くなれ

ビャクヤならきっと『七英雄』になれる‼︎」

「母さん、最後だ」

「これから離れ離れでも父さん達はビャクヤのことを」

「「愛してる」」

そういって父さんと母さんは息を引き取った


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