第2話

 活動休止。

 アイツの言葉は、寝耳に水だった。

 俺は何も聞いていない。だから自分の耳を疑った。

 しかし、生放送の最中、アイツになぜ?と訊くことができなかった。


 紅白が終わり、控え室に戻るとアイツを問い詰めた。が、「すまない」と答えるだけで、その後ダンマリだ。

 アイツに悲痛な面持ちで黙られていると、怒りはあったが、攻められなくなった。

 俺はゴミ箱を蹴り、1人、控え室から出て行った。


 それから3ヶ月俺は、いつも悲痛な面持ちをしているアイツに結局訳を聞けずに過ごした。


 そうして俺は、アイツと決別し、その後ソロデビューを迎えることになる。

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