ミリタイア帝国軍事連合の侵略開始!
サイネリア王国は、シャルラハロート王国と同盟関係になりミリタイア帝国軍事連合に対しての警戒を強くしていった。
数日後、ミリタイア帝国軍事連合に対しての軍事会議が行われることとなった。
国王陛下、セシル、お父様、私、フィーリア騎士団長、ミリア魔法師団長での軍事会議だ。
フィーリア騎士団長の姉であるミリア・エルフォードが新たに魔法師団長に就任していた。
軍事会議が始まると、お父様が会議を取り仕切る。
「これより、軍事会議を行う。議題は対ミリタイア帝国連合についてだ」
懸念事項は、地上戦と海上戦だ。まずは地上戦をどうするかを考える。
「それでは、一夜城を作りましょう!」
私が発言すると、みんな何のことかさっぱりという顔をした。当然ですわね。
「基本的には鋼鉄の壁を作った時と同じ考えでございます。あらかじめ、こちらでブロックごとにパーツを作っておき、防衛拠点で一夜にして組み立てる。ということでございますわ」
「なるほど。それは名案でございますね」
フィーリア騎士団長は理解してくれたようだ。
他の人たちも何となく分かったという顔をしている。
「防衛拠点作りに関しては工房と連携して準備をしていくことにしよう。武装に関しては何かあるか?」
ミリア魔法師団長から提案があった。
「魔法工学研究所のカーナより、小型化した魔動砲を量産していると聞いております。こちらも防衛拠点に配置していただければ魔法師団の火力が上がると思われます」
カーナの魔動シリーズが順調に拡大していますわね。
「わかった。魔動砲の配備については魔法工学研究所と連携して調整しよう」
「はい、ありがとうございます」
軍事会議で決定したことは、防衛拠点は2つ、サイネリア王国と他国との国境付近とルキア王国のミリタイア帝国との国境付近に配置することになった。
サイネリア王国の分は王都で作り、ルキア王国の分は以前作った工房で作る方針だ。
また、お父様の専売特許で各街には防御結界を張ることになった。
王国の民をミリタイア帝国軍事連合の攻撃から守ることも大事だ。
せっかく立て直した王国を破壊されてはたまったものではない。
水上戦はサイネリア号の火力、シャルラハロート王国同盟との連携で押し切る方針だ。
そして、結論が出たことで、軍事会議は解散となった。
数ヶ月後、執務室にカーナがやってきた。
何か報告したいことがあるらしい。
「メリア様、ついに、ついに完成いたしました!」
カーナはいつになく興奮している。
何か新しいものを開発したのかしら?
「カーナ、落ち着いて。何が完成したのかしら?」
「も、申し訳ございません。魔動シリーズ最新作『魔動飛行機』の試作機が完成いたしました!」
何ですと!?
カーナは、私の作った紙飛行機を参考にして魔動飛行機を完成させようだ。
「メリア様、お見せ致しますので実験場までお越しください」
「ええ、わかりましたわ。ノエル、ちょっと行ってきますわね」
「はい、メリア様。いってらっしゃいませ」
私とカーナは魔法工学研究所の実験場へ向かった。
実験場には3体の魔動飛行機らしきものがあった。
実物は私のイメージする飛行機ではなかった。
一言で言うと板の上に乗って空を飛べるというものだった。
それでも、よくもまぁ紙飛行機だけをヒントに作れたものだと感心してしまった。
「メリア様、魔動飛行機単体を飛ばすことはできるのですが、乗ることができないのです」
カーナは、魔動飛行機の上に乗って飛びたいらしい。
しかし、魔動飛行機を乗りこなすためにはコツが必要のようだ。
「では、私が試してみますね」
「はい、お願いいたします」
私は魔動飛行機の上に乗る。
自分の魔力で浮かせて飛ぶことができるようだ。
だが、バランス感覚が必要そうだ。
最初はぐらぐらと不安定だった。
しかし、スノボーやスケボーに乗るようにイメージして練習していたらスムーズに乗ることができるようになってきた。
数時間後には私は自由に飛べるようになっていた。
「メリア様、素晴らしいですわ。ぜひ乗り方のコツをお教えください」
……うーん、難しいですわね。
スノボーやスケボーに乗るイメージをどう教えましょうか。
「魔動飛行機を乗りこなすには、バランス感覚が必要ですわ。まずはその練習をするメニューを作らないといけませんわね」
「メリア様はどうやってそのバランス感覚を手に入れたのでしょうか?」
……カーナはいつも返事に困ることを聞いてきますわね。
「そ、ソリですわ。ソリで滑る時に立ちながらバランス感覚を鍛えたのですわ」
我ながら無理のある答えだったかしら。
「メリア様は、小さい頃はお転婆さんだったのですね」
……カーナ、一言多いですわ。
私とカーナが実験しているところにノエルが慌てて駆け込んできた。
「ノエル、どういたしました?」
「はい、クックルちゃんからの報告が来ました。ミリタイア帝国軍事連合が動き始めました!」
ノエルから詳細を聞くと、川の上流からはミリタイア帝国軍の艦隊が出撃、サイネリア王国、ルキア王国に向けて地上部隊が進軍を始めたようだ。
私は急いでお父様の部屋へ向かう。
「お父様、ミリタイア帝国軍事連合が動き始めました!」
「なんだと!?」
「地上の防衛拠点に到達見込みは4日後のようです。直ちに行動に移す必要がございます」
「メリアありがとう。騎士団、魔法師団に通達! ミリタイア帝国軍事連合が動き始めた。迎撃準備を行うよう命ずる!」
お父様の部下たちが命令を騎士団、魔法師団へ伝えに向かった。
騎士団、魔法師団は通達を受けると即座に一夜城作戦を開始させた。
「ノエル、クックルちゃんに頼んで手紙を送れないかしら」
「はい、かしこまりました」
ノエルが口笛を吹くと、クックルちゃんがノエルの元に来た。
ノエルはクックルちゃんに足元に伝言用の手紙を巻きつけて届けてもらうようにお願いした。
「カーナ、魔動飛行機1体をお借りしてもいいかしら?」
「はい、構いませんが」
私はノエルを抱きかかえ、魔動飛行機乗る。
「ひゃぁっ!」
ノエルはいきなり抱き上げられたのでびっくりしている。
「メリア様、サイネリア号に着きましたら先に出港していてください」
「ええ、わかりましたわ」
私は魔動飛行機を飛ばしサーマの港へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます