撮りためた写真の保存
スマホオンリーだと写真の整理って結構楽そうなんですよね。
だいたいがグーグルかアップルのクラウドストレージに入ってくれる。整理整頓するっていう意識すらなく、勝手に写真をアップロードしてくれて日付日時順に並んでくれる。
ですがこういうデジカメなんかだとそうはいきません。デジカメはデフォルトでの通信機能がなく、データはもっぱらSDカードに記録されるからです(この辺の事情は高級カメラも同じです)。
で、SDカードって長期保存には向かないメディアなんですよね。
10年前に撮った写真をSDカードから再生してみようと思ったら、読み込み不可でその写真は永遠に闇の中……。
こんなことにならないよう、しっかりとバックアップを取っておきましょう。
自分はMacを使っているので、Windows派の皆さんとはちょいとやり方が違うかもしれません。まあ基本的なことは同じなんですが。
さて、まずは撮影の生データとも言えるSDカード。コイツのデータは消さずに基本ずっと取っておきます。つまり、SDカードの容量がパンパンになったからって、データを他にバックアップしたらSDカードのデータも消して1から再利用——ってのは個人的にナシです。
データの保存先は多い方がイイですからね。ですので、このSDカード自体も、保存先のひとつとしてずっと消さずに取っておくのです。
え? 新しいSDカード買うのにお金がかかる? 最近では128ギガのやつも2000円前後(密林調べ)で買えます。
自分はこの128ギガを埋め尽くすまで数年かかりました。つまり数年分の撮影データという唯一無二の物が消えちゃった場合、
『こんなこともあろうかと!』
みたいに、このSDカードの生データがあれば写真が復活するのです。
なのでぜひ、撮影データでパンパンになったSDカードは消さず上書きせず、そのまま取っておきましょう。ちっこいカード1枚なんで場所も取りませんし。
最初に書いたとおりSDカードって長期保存には向かないメディアですが、バックアップ先は多ければ多いほどいいのです。大容量のクラウドみたいにサブスクでお金がかかり続けるってワケでもないですし。
◆ ◆ ◆
さて、では生データであるSDカードの中身を普段はどこに保存しておくかといえば、まあ普通はPCの中ですよね(WindowsとMacどっちでも)。
コスパ重視なら
(ただ、HDDは稼働時にちょいとカリカリキュルキュル音がする、振動なんかに弱い、あと純粋に重いっていう欠点もあるにはあります。ただ低価格大容量でお得)
カメラで撮影したデータってのは、撮影日時やその時々の属性(画角やF値、シャッター速度など)が記録されています。ですのでそのままフォルダに放り込むだけでちゃんと撮影日時順に並んでくれるはずです。よほど変な設定をしていなければ。
◆ ◆ ◆
さて、これでデータの保存先はSDカードとPCの中、合計2箇所になりました。しかしまだこれだと不安じゃありませんかね。
なにしろSDカードは脆弱。そして頑丈なPCも、飲み物だばぁや猫ちゃんの襲撃、はたまた落雷による余波を喰らってHDDどころかPC丸ごとお亡くなりに——なんてことも考えられます。まあこの辺はその人ごとの環境によりますが。
そこで第3の保存場所、クラウドです。
で、クラウドですが、これはほんとに各社色々あるのでその全てを網羅なんてできません。普通の人ならGとかAとかの有名どころを使っておけばとりあえず安心じゃないですかね。容量足りなきゃサブスクになる会社もありますけど。
ただ、クラウドに絶対の信頼をおいて全データをそこに保存しておく、ってのも個人的にはオススメできません。
だって『クラウドで預かってたデータが消えちゃって復元もできません、サーセン』みたいな事例ってワリとあるんですよ(検索してみたら、縮み上がるような実例が続々出てきてしまいます)。
こういう防御不能の1発即死技があるからこそ、スマホオンリーユーザー向けにも、スマホから直接データをバックアップできるっていうデバイスが売られているわけでして。
なので、クラウドは大企業がやってるから銀行の金庫みたいな絶対防御! みたいには考えず、あくまでバックアップ先のひとつって考えておいた方が精神衛生上も気が楽になります。
◆ ◆ ◆
SDカード、PCの中、クラウド……これで保存先は3つです。
しかしまだちょいと不安が残っていたりはしませんかね?
例えば地域一帯に物凄い落雷が発生した場合。某ゲームのサンダガみたいにバリバリゴロゴロぴしゃーんと自分ちが雷に打たれてしまったら。
こういう時はコンセントに繋がったPCが危険です。落雷の衝撃がコンセントまで届き、PCまで届き、中身のHDDまで一気に破壊——というケースもあります。
で、一般家庭のPCが落雷でヤバいって時には、クラウドデータの保存先であるデータセンターなんかもヤバいんですよね。ここが雷の召喚獣なんかに狙われたら、電子のデータなど脆いもの。クラウドデータ消失事例の一丁上がりです。
PCも死亡、クラウドも死亡。ならばと保険のSDカードを調べてみたら、データが古すぎて読み出し不能になっていた……こうなる可能性は充分にあります。まあ自分が心配性なだけかもしれませんが。
ですので第4の保存先、外付けHDD・SSDの出番です。
こういう外付けの記録装置は、PC本体に付けっぱなしにするのはやめましょう。雷でPC本体と一緒に逝っちまう可能性があるのですから。
ですのでこれは週イチか月イチか、そのくらいのペースでPC本体のデータを移すくらいでちょうどいいかもしれません。
で、それ以外の期間はずっと安全な場所に保管しておくのです。
たとえば、スプリンクラーが作動してPCごと外部記録データも全部ぶっ壊れてしまった……というのを避けるために、ジップロックに入れておくとか。
大雨で床上浸水しても大丈夫なように、本棚の上の方に置いておくとか。
万が一の時にすぐ持って逃げられるように、非常用持ち出し袋に入れておくとか。
外付けの記録装置ってのは、こういう運用がベストかと思います。
PCに繋ぐのはデータを移すときの一瞬だけ。それ以外は絶対安静。
月イチくらいなら手間もそれほどかかりません。
今だったら22年9月の写真フォルダごとぽいっとコピペすればいいだけ。これは本当に本当の非常用バックアップデータなので、整理整頓とかはしなくていい。フォルダごと放り込んでおしまいで全然OK。
◆ ◆ ◆
さて、ここまでやればさすがに大事な撮影データは守られるでしょう。日本上空にメテオでも落ちてこない限り。
ですが、写真ってのはただ撮って終わりではありません。
撮ったあとに見かえしてこそ『写真という思い出』を積み重ねる意味がある。
撮ったら撮りっぱなしじゃ、撮影がうまくなったのかどうなのか検証もできませんからね。なにごともトライアンドエラーこそが上達の近道なのです。
なのでどっさり撮りためた写真は時々見なおしましょう。できれば等倍で。
デジカメで撮った写真を小さいウィンドウなんかで見ると、ちょっとしたピンボケとかを見逃しやすいんですよね。ですので1枚1枚をデカい画面で確認して、ピンボケ写真を見つけたら「あ、これを撮ったときはちょっと脇の締まりが甘かったかな」などと当時の状況を回想してみるのです。
そうすることで、
『こういうポーズでカメラを構えたらピンボケしやすい』
『こういう天気の時は白飛びしやすい』
『やっぱ歩きながら撮ったらブレブレだ』
『動きの速い鳥を撮るときはシャッタースピードがうんぬん』
などと欠点を克服し、少しずつですが撮影スキルが上昇していくのです。
どんな分野でもやったらやりっぱなしってのはダメなのです。【他人のふり見て我がふり直せ】みたいに【過去の我見て我がふり直せ】ってのは写真を撮る上では大事なんじゃないでしょうか。
◆ ◆ ◆
本章はカメラ性能レンズ特性なんかとは全く関係ありませんが、まあ撮影データをどう守るかってのは絶対について回ることなので。
まあどこまでやるかは自分次第。手間暇とデータの大切さを天秤にかけて、あまり無理のない撮影ライフを送りましょう。
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