(シン)ヤンデレブラコンの妹(改訂)

アキノリ@pokkey11.1

第一章 終わりしか見えない世界

全く先が見えない

第1話 地獄を見ている少年

そもそも三島悠次郎(みしまゆうじろう)

17歳になった俺だが.....あまり秀でた所は無い。


成績もそこそこ身長もそこそこイケメンでも.....ない。

つまりあまり良いところが無いのだ。

どうしたものか、と悩むぐらいだ。


その筈なのだが.....俺は妹に溺愛されている。

つまり頭がおかしい妹の咲(さく)に、だ。

そして遂にその行き過ぎたものが問題過ぎる行動になった。


それは。


俺自身が妹の部屋に監禁されてしまっていた。

とんでもない話かもしれないが事実だ。

上半身を裸にさせられてしかも椅子に縛り付けられていた。

所謂指を縛る結束バンドで。

どうやら俺は寝ている間にこの場に連れて来られたらしい。


「お前は何をしているんだ.....咲。流石にもう許されないぞここまでしたら」


「.....私のお兄ちゃんだから問題無いよ。.....ね。お兄ちゃん」


「.....お前学校はどうした」


「そういうお兄ちゃんも学校は?」


「お前のせいで行けないんだよ!馬鹿か!」


このクソ妹が。

俺は思いながら目の前の成績優秀で容姿端麗の変態のヤンデレの。

それを付け加えたいぐらいの妹を見る。

妹は目をハートマークにしていた。

変態だな.....、と思う。


「.....良い加減に離さないと許さんぞお前」


「.....お父さんとかお母さんに言い付けるって?馬鹿だねお兄ちゃん。何も考えてないね。私が児童相談所に行っても無駄だったでしょ」


「.....」


俺はありったけで睨む。

そして溜息を吐く。

確かにその通りなんだよな。

コイツを行政に任せても戻されるだけ。

矯正もされず、だ。


「.....お前の意思を尊重したいが今の状態じゃ無理だ。.....殺すぞ」


「.....やってみて?やり返すし」


「.....」


ああ言えばこう言う。

俺はだんだん腹が立ってきた。

だけどどうしようもない状態だ。

さてどうするか。

思いながら俺は後ろポケットからライターを取り出す。


「.....お兄ちゃん?何をー」


「これでもくらえ!!!!!」


そしてライターに思いっきり火を点けてから側にあった燃えやすいクッションに投げ捨ててやる。

すると一気に火が点いて燃え上がる。


このままだと火災報知器が鳴るだろう。

流石の妹もマズイと思ったのか。

俺を一瞥してからそのまま火を消そうとする。


「どうする。このまま死ぬか?2人で。その前に解放しろ」


「.....分かった。お兄ちゃんの気持ちは分かった。そこまでするなら解放する」


それから俺のバンドを外した。

そして火は収まる。

俺はそれを確認してから妹を見る。


妹はケロッとしていた。

相変わらずのゴミクズめが。

俺は考えながら、じゃあな、と部屋を後にする。


「あれ?殺さないの?お兄ちゃん。私を」


「そんな事をしたら殺人罪なんだが。.....お前の様なアホになりたくない」


少年院なんて死んでもゴメンだしな。

そして俺はその場を後にした。

それから自室に戻ってから服を着る。

そうしてから頭を抱える。

何故あんな妹に育ってしまったのか、という感じで、だ。


するとノックがしてきて声がした。

お兄ちゃん、と、だ。

俺はハッとして顔を上げてから、何だ、と答える。


そうすると、ゴメンね。そんなつもりは無かったから、と言ってくる。

これは何十回も聞いた。

ウソまみれだ。


「.....次やったらマジにお前の存在を殺すから」


「.....そうだね。.....その前にお兄ちゃんの身体がバラバラになっていると思うけど」


「.....」


俺はドアを冷たい眼差しで睨みながら。

そのまま去って行く音を聞いてから。

俺は慌てて制服に着替えた。


既に時刻は昼の12時を回っているが。

学校に遅刻でも間に合わせないといけないだろうな。

4月でテストもあるし。

クソッタレが。


「.....クソ妹が」


そう呟く。

部屋から一歩も出ず。

通信制の高校で.....俺をずっとヤンデレで攻撃してくる妹。

もう限界だった。


このままではマズイ。

アイツを変える必要があるな。

何故かって言えばこの家のみんなの命が危うい。


俺は考えながら作戦を講じようと。

そのまま玄関を後にしてから登校する。

遅いが、だ。

さてどうするか、だな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る