足音

桜木 

第1話

これは私が幼い時に体験した出来事です。

私の家は父、母、兄、私の4人家族でいつも寝るときは両端に父と母がおり

その間に兄と私がいて川の字になって寝るというものでした。

 その日も何気ない生活を送って、夜9時になると母は兄と私を寝室に連れていき寝かしつけていました。

 その日は確か休日で、家族4人公園で思いっきり遊んで疲れていたので、普段はすぐには眠らない兄と私でしたその日はすぐに寝た気がします。

 私がトイレに行きたくなって布団から出て、トイレに向かう途中で寝室に向かう父とすれ違って「おやすみ。」と言葉を交わして、私はトイレに向かいました。

 トイレから寝室に戻ってくると、私を除いた3人がすでに寝ていました。

 私も寝ていた元の場所に行き布団に眠ろうとした時に、何処からか足音のようなものが聞こえてきました。

 私の家族は4人でみんなこの寝室で寝ているので足音が聞こえてくるなんてありえないことでした。

 私は、隣で寝ていた兄に「……起きてよ。」と小声で言いながら、体を揺すりましたが起きる気配はなく、兄を起こすのは諦め隣で寝ていた父にも同じようなことをしましたが父も起きる気配はありませんでした。

 私は怖くて布団に潜り身を隠しました。

 足音のような音はまだ聞こえていて、なんとその音は次第にこちらに向かってくるかのように大きくなっていきました。

 その音は寝室の前で止まりました。

 私は怖くて布団に潜った状態で、恐怖で震えていると、寝室の襖が開く音がして、さらに先ほどの足音のような音がこちらに向かって近づいてきました。

 得体の知れない音との恐怖に怯えてると気づいたら朝になっていました。

 翌朝、その事を話しましたが家族全員全く気づいてなかったみたいです。

 あの音は一体なんだったのか?と言いたいところですが、私はあの時足音だったんだと確信していました。

 なぜなら、その音が寝室に入ってきた際に私はほんの少し布団をめくり外を見るとそこには、こちらに向いてる足が見えたですから。

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足音 桜木  @kowasami

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