第三部 4話 ギャルは声が良い

「もーおばあちゃん直ぐ帰るのにぃ〜!」


「いいのよ真白ちゃん。久しぶりに来たんだからお茶くらい飲んできなさいよ」


「じゃあお言葉に甘えて〜」


「切り替えはえーよ……」


 ウチに着いたら丁度おばあちゃんいたのもあって、一杯麦茶出たらどっかり座って一息吐いて飲んでる真白。

 確かに最近はウチに来てなかったから、結構久しぶりだ。


「イッチー週何回バイト来てんの?」


「えっと……土日どっちか一回ずつで、時々両方」


「頑張ってんなぁ」


「父ちゃんも働かせ過ぎな気もするけどさ」


「でもおうちデート出来んじゃん」


「デートなんて余裕無いっつの」


「だけどー、一緒にいれて嬉しくてしょーもない的なヤツ」


「っ……」


 やっぱり真白は、芯を食ったコト言う時がちょいちょいあるから、油断出来ない。

 普段はアタシ等の中で一番パッパラパーだけど、なんだかんだで家政部を支えてくれてんのは、副部長のコイツなんだよな。


「まーにしても、あーし等も良く続いて来たよなー、家政部ー」


「高校入ってまた部活作ろっつったの、真白じゃんか」


「アレっ?そだっけ?」


「お前さぁ…」


 惚けたフリしてテーブルに伸びる真白。

 気持ちがわかるから何も言わないけど、乳もしっかり乗っけてラクにしてる。

 アタシも時々やるし。


「だってしゃーねーじゃん?あーし等みたいなのウェルカムな部活とかねーし、それで好きに出来る高校なら、作るしかねーべ!のヤツ!」


「同好会からだったから、活動費も自腹でキツかったよな」


「それな!つか、同好会だって玲香ちゃんのお陰でどうにか立ち上がった、とか聞いた時は、コーチョーバチボコにしてやろうかと思ったわ!」


「ふふっ、そんなんしたら完全に詰んでたな」


 だけど、実際青戸センセが居なかったら、アタシ等は家政部どころか、家政同好会すら立ち上げられてなかったんだよな。




〜〜〜〜〜


 入学して直ぐに中学の頃の噂は広まって、近付いてくるまともな、部活やってる人間はどんどん遠ざかり、下衆な事考えてるしょーもないバカ男か、おんなじ括りだと勝手に決め付けて近寄るユルい女が、周りにウロチョロしてるだけだった。


 そういうのを突っぱねるのも面倒になって来た、ある日。


「裕美子どーするよ帰りー」


「真白んちは?」


「ウチは今日は無理!アニキが試験前でイライラえげつねーし!」


「ウチは良いぞー」


「ヒナんちは遠い「ヘリ呼ぶか?」おー良いねぇ!!!!」


「呼ばんから…」


 こんな感じで、アタシ達はあの事件から、学校で部活目的で居残る事が難しくなっていた。

 仕方ないから三人それぞれの家を順繰り順繰り行ったり来たりでやってたんだけど、やっぱり友達の家だと、なんか締まらないし、ダラける事が多くなってて。


「しゃーねーな、今日はモックでギガモック食って帰っか」


「ギガモック倍バーガーやろうず」


「相変わらずめちゃ食うよなお前ら……あっ」


 そんなん話しながら階段降りてたら、ポケットのハンカチを落とした。

 したら運悪く、階段の踊り場に来た人の頭に、落っこちてしまった。

 白衣着てるから、先生かな?


「すいません」


「あぁ大丈夫だよ」


「っ…」

 

 駆け寄って近付いたら、初めて見る先生で、身長高くてキレイな人だった。

 胸もアタシ等とおんなじか、それ以上ありそうで、めちゃくちゃスタイル良い。


「裕美子ー、ハンカチ落としは古いぞー」


「オールドタイプの戦術」


 そんなヤジ飛ばす二人を尻目に、その女の先生は、ハンカチをじっくり見渡して、一言。


「……刺繍が綺麗だね。キミが作ったのかい?」


「あ、いや、コレは貰いもんって言うか……作ったのは、コッチの二人で」


「そうか。良く出来ているね」


『!』


 ニコって笑ってくれた。

 意外だねとか、本当に作ったのかとか、当たり前みたく勘繰る事なく。

 アタシ達のやってる事を最初から素直に認めてくれたのは、本当に数えるほどしか無かったから、三人みんな、ちょっとビックリして。


「君達はそういう部活の部員達なのかい?」


「いやー部活はやってねーんすよ。ウチら訳アリで」


「膝に矢を受けてしまってます〜」


「そんな開けっぴろげに言うな。でも、やってないのは、うん…」


 この時、自分で言っても哀しかったのを、覚えてる。

 褒められる趣味なのは良かったケド、学校の中だと、褒められるだけで終わりな感じがあって、先生相手も、そんな風に世間話みたいに、流れて終わってく感じがして。

 

「そうか。なら、部活でも作ってみたら良い。君達が良ければ私が顧問になろう。今は三人だから、同好会からだけどな」


『………えっ!?』


 それだけに、いきなりそんな事を言われたら、全員固まっちゃったのも、良く覚えてる。




〜〜〜〜〜


「バイタリティたけーよな。玲香ちゃん」


「バイタリティっつーか……いや、そもそも問題児扱いだったアタシ等が作る部活の、顧問引き受けようなんて言ってくれた位だし、相当ケツ持ってくれてんしょ」


「それなー、顧問恵まれたよなー、で、部員にも恵まれた!」


「そうだよ。恵まれた」


 頬杖突いて、アタシの方見てニヤニヤして言う真白。

 別にアタシだけに言う話じゃなくて、真白も、それに姫奈だって、壱正が入ってくれた恩恵?は、受けてる訳で。

 ただ、一つ、思う所はあって。


「なー真白」


「ん?ヤる時のタイミング知りてぇん?」


「そんな話しとらんわ……壱正、ウチらと一緒に部活やってて、楽しいかな」


「なーに言ってんだよ。彼女と一緒に部活やってりゃ楽しいに決まってんだろ」


「そうじゃなくて、ほら、出会った流れでトントン拍子で入部してここまで来たケド、実際……壱正、楽しいんかな。家政部」


「裕美子……」

 

 改めて、ちょっと考えてみる。

 壱正は、アタシ達と一緒に居るのは楽しそうだし、アタシとの……時間を大事にしてくれるのも、ホントだと思う。

 ただ、部活ってなると、さっきの姫奈の話でもだけど、壱正はまだ、家政部でやりたい事みたいなのは決まってなくて、でもアタシ等三人のやってる事に、興味は持ってくれてて。

 勿論、色々あって、悩んでるとかなら良いんだけど、もしかしたら、そんなにどれも、やりたい事でも無いのかもしれないって、思ったりもして。


「ならホラ、バイクの作業でもやってりゃいーじゃんよ」


「それは、そうなんだけどさ」


 なんか、上手く言えないんだけど、でもそれで、壱正を部に置いとくだけで、良いんかなって、気もして来ちゃう、今のアタシがいる。

 壱正が、やりたい事と、アタシ等のやる事に、何処か、段差があるーーーみたいな。












ーーーーーーーーーー




「ご紹介遅れましたねぇ、私ローカルニュースサイト、ヴェリタスの編集長を受け持っております、小村と申します」


「はぁ、どうも」


 交差点で呼び止められて、とはいえ振り切って走り去って因縁を付けられても面倒だから、仕方なくバイクを路肩に停めて、直ぐ角のコーヒーチェーン店に入った。

 奢られる借りは作りたくないから、ちゃんとバイト代から自分で払って。

 それにしても、名刺を貰うのって初めてだな。


「あの、僕になんの用でしょうか?」


「いえいえ、先日の非礼を詫びたくて。せっかく君から提案してくれた事を、無下にしてしまいましたから」

 

「その事は別に気にして無いから大丈夫です」


「では、黒井さんに執拗だった事は、気にされてますかね。そちらをお詫びしますよ」


「………」


 そっちが本題だけど、遠回しに言って来たなって、感覚で直ぐ分かる。

 そもそもこの人は、裕美子さんのお店が無闇に忙しなくなってしまった要因を作った人だ。

 僕にコンタクトを取ったのだって、間接的にお店にまた、何か取り入ろうとしてる魂胆があるんだろう。


「わかりました。受け取っておきます。用件がそれだけなら、僕はこれで「バイクの運転、お上手ですねぇ」っ……」


「この間もバイクで出前の帰りだったのでしょう?とても運転が上手いそうで、お店でもとても戦力になってるのでしょう?」


「別に……普通に、気をつけて走ってるだけです。免許だって取ったばっかりですから、まだまだ素人です」


「いやいや、こんな風に避けられるんだから、天才ですよ!」


 そうして大仰に出してきたのは、SNSでまだ伸び続けている、あの動画。

 日に日に数字は増えてて、確かに不特定多数の人の目に止まるのも、無理はないのかもしれない。


「偶々です。運が良かっただけです」


「運も実力の内と言うじゃないですか」


「そういうのに頼るライダーにはならない様にしてるので。あの、そろそろ失礼します」


 目的が見えない気持ち悪さがあるから、兎に角別れを告げて、立ち去ろう。

 しばらくは、この辺りも通らないのが良いかな。

 なんて思いながら立ち上がって、踵を返そうとする僕に、その言葉が刺さった。


「紛れもなく天才だと私は思いますねぇ。だって、ひったくり犯を捕まえられる位のスキルがあるのだから」


「!……」


 思わず、脚が止まってしまった。

 同時に、あの事件についての取り扱いにも記憶を巡らせて。

 おじいちゃんのツテで、僕の事は、公にはなって無い筈。

 あくまであの男が勝手に転倒したのを、おじいちゃんが捕まえた……ってのが、新聞にも少し載った、事件の記録だって、ちゃんと警察の人にも言われたんだ。

 だから、その事が第三者に知られてるなんて事は、普通に考えたら、無い。


「(知らないを通そう)いきなり何を言ってるのか、分からないんですけど。あんまりしつこいのは、僕も対応を考えますよ」


「コレは失礼。いや、一つの妄想話なんですけどね」


 コーヒーを一口飲むと、意気揚々と、話し始めた。

 妄想というよりは、答え合わせ、謎解きみたいな、口ぶりで。


「数ヶ月前、この街近辺で連続ひったくり事件が起きていた。その犯人が君達の通っている万葉高校の生徒だったのは、流石に私の耳にも入ってましたが、この捕まった日。最初は何も気にしてなかったんですけど、よく見たら、私が黒井さんとお店に興味を持つきっかけになった、ユースクラフトアート展覧会の日と同じなんですよねぇ。それでちょっと気になって、広報誌等を調べていたら、貴方達家政部の写真が映っている中に、君が居るのを見つけましてね。しかもヘルメットを被って、バイクから降りたばかりの。それでもう少し正確な時間を、SNSで調べてみたんですよ。そうしたら、写真が撮られたタイミングが、ほぼ犯人逮捕の時間と重なってるんですよねぇ。だから、少し気になりまして。ちょっと逮捕現場近辺で、聞き込みをしてみたんですよ。そうすると、どうやら当日、その場には、犯人のバイクの他に、別のバイクがもう一台あった……様でして」


「あの、そちらのサイトがただのウェブゴシップならまだしも、妄想をニュースとして書くのは、良くないと思いますが」


 感情的になったり、声が強張ったり上擦ったりしたら、見透かされるから、ココは平坦に、無機質に答える事に努めよう。


「いえいえ。こんな推察載せられませんから、貴方にだけ聞いてみて欲しかっただけです。すいませんお手間を取らせてしまって。お詫びと言ってはなんですが、コーヒー台お支払いしますね」


「いえ、結構です」


 掌向けたらそれだけ言って、今度こそ僕は振り返らずに店を出た。

 ヘルメット被って、バイクに跨った後でも、一切店の方には視線を向けずに。


 本当なら、完全に無視すべきだった。

 だけどそれで、また裕美子さんに面倒事の矛先が向くかもしれないと思うと、やっぱり僕に、それが向いている方が、まだマシな気がして。

 

 勿論、度が過ぎる事があればウチにはおじいちゃんだっている訳だし。

 今は僕の方が牽制しているつもりで、いた方がいいと思うから。











「どう壱正、久しぶりのお母さんのハンバーグ?」


「うん……おいしい」


「間があるな…」


 帰って来たら、今日は久しぶりに母さんが全部夕飯を用意してくれた日だった。

 勿論、美味しいんだけど、さっきの今だから、ちょっと切り替えに時間はかかって。


「ううん!ホントにおいしいって!」


「てか久しぶりで忘れちゃったか!?」


「なーに言ってんのよ。そう簡単に親の味なんて忘れないわよ」


「そうだ。まぁ今は壱正もばあちゃんと……ゆ「じいちゃん」色んな人の飯食べてるからな。新鮮だろう」


 おじいちゃんがうっかり裕美子さんの名前出しかけた所で、おばあちゃんが釘を刺してくれた。

 別に、母さんに隠す物でも無いんだけど、中々タイミングがわからなくて。


「そういえばバイト、調子どうなの?」


「っと……そこそこ慣れては来たかな。出前も基本は常連さんだから、道も覚えて来たし」


「そっかー。壱正もすっかりコッチの子になって来たね」


「うん……今までで一番落ちつくトコだよ。ココ」


 住みやすさってのもあるんだろうけど、おじいちゃんおばあちゃん、真白さん姫奈さん、青戸先生に玲奈ちゃん、そして裕美子さん。

 今までで一番人に恵まれてるから、身体だけじゃなくて、心が落ち着けるんだと思う。

 何度も転校を繰り返して来て、初めて、此処に居たいって思える様になった場所だから。


「うん……わかった」

 

「母さん?」


「ううん。コッチ越して来て良かったなって」


「だね」


「ご飯とか頼れるし!」


「あら、私は孫に作ってんだからね」


「ハハハ!」


 また釘を刺すおばあちゃんに、今度は口を開けて笑うおじいちゃん。

 だけど母さんの顔は、何かを確かめた様に、目線を下げていた。









「さて、そろそろ考えなきゃだ。僕がやる事」


 色々気になる事は一旦置いといて、今はやっぱり、文化祭の事に集中しよう。

 僕が家政部でやりたいことはなんなのか…だよね。


「裕美子さんのお手伝い……は、裕美子さんに、ちょっと遠慮されちゃいそうだから、真白さんや姫奈さんみたく、何かバイク関係の小物とか、服飾関係が良いかな」


 とはいえそれが文化祭で需要があるかと考えると、ちょっと微妙だよね。

 基本的には在校生向けのイベントだし。

 だとすると、やっぱりステッカーとかシールを作って販売するのが、一番無難ではあるのかな。


「汎用性の高いデザインにすれば、色んな人が買ってくれるかもしれないしな……!それこそコースターとか作ったりしても良いかもしれない。裕美子さんの料理に合わせるドリンクを置【prrrrrrr】あっ!タイミングよくテレビ電話!……裕美子さん!」


 思わずスマホに顔を近づけて出ちゃった。

 そしたら向こうには裕美子さんの驚いた顔と、お風呂上がりかな?少し汗ばんだ褐色のおっぱい……。


『お、おぉ…どした壱正。なんか元気じゃね?』


「あ、いや、今ちょうど、文化祭の出し物、考えてたとこでして!」


『そうなん?さっきの今でめっちゃやる気じゃん。そんな張り切り過ぎんなって』


「せっかくだから張り切ってみます!ていうか、今裕美子さんの声を聞いたら、もっと頑張る気になりました!」


 顔を見て、声を聞くと、やっぱり違う。

 この人の為に、頑張りたいなって、改めて思える。

 それが、恋人になった人だから、今まで以上に。


『そっか。それは……良かったケド。ちなみに何にするん?』


「コースターとかどうですかね?紙製と、布製を作って。布製は真白さんと姫奈さんに縫製を教わって、紙製には裕美子さんの料理のドリンクを置いたりとか」


『っ………うん。良いじゃん。壱正なら良いの作れるよ』


「ありがとうございます」


 あれ?何だろう。

 今裕美子さん、少し間があった様な。

 出かけた言葉を、飲み込んだみたいな、一瞬の間があった気がする。


『ね、夏休みもう直ぐ終わりだし、またどっか出掛けようよ』


「良いですね。じゃあ今度は裕美子さんが行きたい所に行きましょうよ」


『うーん…壱正が行きたいトコ行こ。こないだだって、買い物は大体、アタシが行きたい所だったし』


「じゃあ……僕まだまだこの街の事知らないんで、ぶらぶら歩きたいです」


『ん。わかった。じゃあそうしよ』


「はい!」


 そういえば、道は沢山覚えられる様になったけど、お店とか観光地とかは知らないとこだらけだから、裕美子さんに教えて貰いたい。

 好きになった街だから、なおさら。


『そういえば今日はちょっと当たりキツくてゴメン……』


「いやいや!僕も、もう少しちゃんと、真白さんと姫奈さんからのアタック、避けられる様にします!」


『いいよ。アレはあっちがわりーし……でもさ、変な話、ちょい安心したのもあんだよね。全然変わんないじゃん。あの二人』


「それはわかります。遠慮しない所が、僕もなんだか嬉しいです」


 真白さんも姫奈さんも、僕達の事を慮ってくれる気持ちは、しっかり伝わって来て。

 それだけに、変わらないでいてくれるのが、ありがたかったりもする。


『だからって!それとコレとは別だかんね!』


「は、はぁい!」


『まぁ……アタシがもっと積極的に……うん』


「裕美子さん?」


『何でもない!デートの日に、楽しみにしときな!』


「???…はい。あ、裕美子さん」


『なに?』


「こうやって寝る前に話せてるの、なんか、ちゃんとお付き合いしてる感じで、僕好きです」


『っ……テレビ電話で言うなよもー……アタシも』


「あははは」


 そのまま、お互い笑い合って、後はやっぱり、他愛ない話を、その日も遅くまでしていた。

 色んな事があった日だけど、好きな人の顔と声を聞いて、眠りにつけるって、幸せな事だし、嫌な事も、全部どっかに行っちゃうくらい、パワーがあるんだな。













ーーーーーーーーーー


「で…どうですかね?結城さん」


「そうですね……とりあえず、前向きに考えてみようかと思います」


 雑多な音が四方八方から聞こえるオフィスで、責任者の前に立つ、壱正の母。

 上司と言われるものの、物腰の低い中年男性は、おずおずと話を進める。


「すいませんね。本社勤めになって直ぐに……ただ、次の支社の支部長には、是非、結城さんの様な方に、受け持って欲しいという、上の意向もありまして」


「はい……」


「勿論、手当ては相応の物になると思います。ご家族もご一緒であれば……その方も確実に」


「えぇ…」


 物腰こそ低いにすれ、自身の部署から排出したいという意向にも、薄々勘付いている、壱正の母。

 ただ、それ自体は自身にとっては些末な事であり、やはり。


「(壱正は……残る、わよね)」


 胸中は、息子の事で、沢山だった。





つづく


※現在筆者が少々多忙でして、再来週までお休みをいただきます

お待ちしている読者さんすみません

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