第11話朝6時

田辺は朝6時まで宿直室で寝てた。年には勝てない。

歯磨きをして、髭を当て、冷蔵庫から、アイスコーヒーと、サンドイッチを取り出し食べた。

放送室に入る途中、何体かの遺体が転がってていて、悪臭が漂っていた。

田辺はマイクをONにする。


ピンポンパンポン


「おっはよーございます。皆は眠れたかな。先生は8時間寝ました。スタートから14時間経ちました。後、10時間です。先生を殺そうとした、馬鹿なせいとが全員死にました。守口君、青木君、細江君、柴垣君、明石君、丸目さんです。後は9人です。先生ももう皆を殺したくありません。職員室に居ます。ゲーム放棄を伝えたら、その生徒は殺しません」


そう言うと、職員室に向かった。タバコは頻ぱんに吸い、ウイスキーもチビりと飲んだ。

田辺は、優秀な生徒は殺したくなかった。

殺人強壮剤を摂取しても。

弓道部員の、中川、広瀬、原口、そして、最高偏差値の吉川と丸山カップル。

後、10時間経てばこの「命の授業」なる、デスゲームは終わる。

このゲームの担当者は、名誉ある賞をもらえ、定年後も天下り企業が担当者を受けいれる。

正子が生きていたら。

田辺には子供がなく、妻は3年前に病死した。

机の夫婦写真を見て感慨に浸っていると、声を掛けられた。


「た、田辺先生、私たちはこのゲームを放棄します」

声を発したのは女子レスリング部の、高田と森本であった。

「お、おぉ、そうか。先生の後を付いて来なさい」

田辺は、迷いながらも、彼女らの言うこと受け入れ、宿直室へ案内した。





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