第9話策士・田辺憲幸

校舎巡回中、掃除道具入れロッカーから物音がした。

田辺は、マシンガンを構え扉を開いた。

そこに、男子が1人隠れていた。

「守口か~見つかちゃったね。出てこい」

そう言われた男子生徒は、ガタガタ震えながら出てきた。

「守口は来年から生徒会長だな?」

「はい。い、今、引き継ぎ中です」

「お前は普段から優しく、私にも親切にしてくれた。お前は、見逃してやるから」

「ほ、本当ですか?」

守口の青かった顔が、一気に赤くなっていた。

「だが、手伝って欲しいことがある」

「は、はい。何でも」

取り敢えず、放送室に2人は向かった。

そして、田辺はノートにあるものを書き始めた。

何かの台本のようだ、田辺は守口に、台本を見せた。

「こ、これは……」

「守口は、演劇部だったよな?迫真の演技で頼むよ。断れば殺す」

守口は台本を手にした。


ピンポンパンポン

「えぇ、皆さん。開始5時間が経ちました。死んだ、お友達を発表します。全員野球部員です。中野君、新川君、藤田君、林君、吉原君の5人です。残り14人です。皆さん私を狙うより、逃げて下さい」

「ちょっと待った~」

「守口!何故ここに?」

「パンッ、パンッ」

「いって~、ひでえ事しやがる」

「みんな、聞いてくれ!今、無防備の田辺先生の両足を銃で撃ちました。これから、こいつを校庭に引き摺りださます。みんな、公開処刑するから集まってくれ。15分後に処刑だ!」


「せ、先生これで良かったですか?」

「あぁー、十分だよ」

「お前は、役目が終わったらすぐに逃げろ。私の気持ちが変わる前に。それと」か

田辺は袋に入った救命胴衣に似た、モノを取り出した。

防弾チョッキ


「守口、これを身に付けろ。私がお前を殺す演技をするから、死んだ振りをしろ」

「み、みんなにバレませんか?」

「アハハハ、皆は殺すよ!」

田辺はたばこを吸った。守口にもタバコでを1本渡し火をつけた。

守口は、金魚ではなく肺まで煙を吸った。

「守口、お前は喫煙者だったのか?」

「はい。早くムシケラどもを殺しましょう」

魔法のタバコで、守口も次期生徒会長だが、冷徹な殺人マシーンと化した。

校庭を見ると四方八方から、生徒が集まっていた。

作戦は当たった。守口に田辺は、スキットルのウイスキーを1口飲ませた。

「さっ、行きましょう、狩りに」

田辺は、特殊タバコとウイスキーの威力に驚いていた。

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