No5ー罰も資格もー

「俺と同じ死神にならないか」

「僕は消えるべき、消えるしかない人間なんだ」

「だから、、、」

「僕には、受ける罰も、生きる資格もない」

唯一つあるとするならば、、、

「あっ」

あいつは突然こちらに突進した。

「許して、、、」

小さく呟いたその声は俺の空耳だったのだろうか。

ナイフが刺さって血が滴る。

俺は無意識に、

俺は故意に、

こいつを殺した。

何も残らない。

文字通り消えるんだな。

残ったのは僕の未練だけ。

『許してあげるよ』

ただその一言を、言えなかっただけ。

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