森へと繋がり、

小富 百(コトミ モモ)

青と闘争

守るべき形などないと歌った男が居て、私は酷くそれが美しいと思ったのにすぐにその後そう美しく歌ったその口で、それはいつか消え失せてと打ち消されてしまって私はそれはそれは酷く悲しかった。

 何処までも加速していく空で私は彼に幸福かと問うた。彼は静かに目を閉じて全てから脱力し幸福だと宣った。地面では犬が鳴いていて猫が媚びを売っている、鼠が下水道を走り誰かの鉈がガチョウの首を切り落とす。

 だから私達は墜落してゆく。

 だから私達は心底幸せ。

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