我が子は可愛い、
喘息で苦しむ姿を見たから、
見知らぬ此の地に来た、
後悔は無い。

だけれども、
子供が怖い恐ろしい、
生理が止まり、
泣きじゃくりながら、
玄関前に立って居た。

肩、
腰、
胸、
薄くなった痣の跡。

利き腕と反対側に、
幾つもの、
躊躇い傷。

一度終わった事だった、
親から疎まれ、
家族に見放され、
帰る場所を失って、
冷えた夜空に座り込む、
そんな仔猫拾った事がある。

中々人間変われない、
独り立ちして行った、
全て終わった筈だった、
数か月後の事だった、
玄関前で泣いていた、
もう知らぬ、
終った筈だと言い放つ。

何かおかしい、
相手の所に行けば良い、
またそう言い放つ、
不思議な言葉を言う、
怖い、
恐ろしい、
腹を摩ってた、
迷惑掛けないからと、
サインだけで良い、
半年足りず未だ未成年。

だから相手の所に行け、
またそう言い放つ、
助けて下さい泣きだした、
怖いから助けてと震えだす、
其処で気付いた、
同じ様な事件が有った事を、
必ず出て来る模倣犯、
その事件も預かり届けていた、
悟って仕舞った…。

公的に認められるには、
行われた行為全てを、
恐怖を受けた行為全て語る事、
其れが出来るか？、
この中に居るかと写真見せられ、
聴取する者が変わる度、
同じ質問に答える事を、
其の顔を見せられる度に、
耐えられますか？。

幼子の様な顔で、
助けてと言われた、
過去とは言え、
見知った娘に言われて。

彼の地で教わり続けたとても大切な事、
其れを捨てて署名した。

立ち直り独り立ちした、
今は何処かで幸せに成っているのだろう、
若かりし時に有った事、
教えに反して仕舞った事、
故郷の敬虔な人達に恐怖する、
罰を受け故郷が恐く為る、
自分を騙す事は出来ない。

我が子は可愛い、
保護した猫も、
そんな俺を恐がらず、
懐き何時でも傍に居て呉れるから。