第3話五百円

「まさかこれが最後の夏休みになるとでも思ってんの?」


「「そうだよ」」


「じゃあ、トガシ先生には、この世界が消滅する前にワンピースが何か書き終えてもらわないとな」

「そう言えば、カズキ。遂にリニアモーターカーが完成するんだって?」

「ああ。そしたらタツキたちには一番最初に試聴させてやる。ようやくアタシが二十年かけたタイムマシーンの完成だ」

「そしたら私は……」

「どうしたいんだイチジク?」

「元の世界に帰りたいよ」

「……」

「まぁ、そしたらワタシが借りたこの間の五百円は帳消しだな」

「それはそれ」

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