第2話世間

「はぁー……」

「はぁー……」

「どうした? タツキ? イチジク?」


 カズキが口を開いた瞬間、タツキとイチジクは同時に顔を見合わせ、笑みをこぼした。


「イッチーからどうぞ」

「いやいや、タツキから言って」

「どっちでもいいよ……」


「「明日から夏休みじゃん」」


「良い事じゃん」


「「それがそうでもないんだよ」」


「何で?」


「「だって……」」


 1999年夏。

 アタシの親友は、この世界が終わるという冗談を信じていた。

 なぜならトガシ先生がそう言っていたからだ。

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