作者自身が粗筋で書いている通り、本作の内容は非常に高い語彙力で書かれており、その他の表現にも確かな実力を感じた。
特にアクションシーンの描写については、剣を構える時の足の引き方など、現実に忠実な動作をしっかりと織り交ぜており、説得力がある。
作者自身が考えたであろうルビについての発想もストレートで格好が良く、好感を持った。本作の事細かな表現等の事を考えると、作者自身のインプットの多さも伺える。
作者なりの強い我で書き抜かれている本作は、好ましいと思った読者であればその文章の重厚さに圧倒されつつ次の頁を捲り、また書き手としても学ぶ所が多い作品であるように思えた。
個人的には数あるアクションシーンの描写がとても好みに思えたので、アクションシーンが好きな読者は是非ともそれらのシーンを楽しみに読み進めてほしいと感じた。