第14話 ある日の城の日常

さて、今日もいいお天気です。先日は魔物に襲われて絶体絶命かと思いましたが、騎士の中に屈強な戦士が居て助かりました。

あの様な人が英雄や勇者と呼ばれる様になるのでしょう。


さて、今日もエレノア様を起こしに行く所から私のお仕事は始まります。

としての勤め、しっかりとこなしてみせます!


ユリーネはエレノアの部屋に行くまでの道中、廊下で掃除しているメイド達に声をかけ、指摘をしながら部屋へと向かう。


ドアをノックした後にエレノア様の部屋へと入り、エレノア様を起こして差し上げる。

エレノア様はこうして起こしてあげなければならない程に朝が弱い。


エレノア様が起床すれば、ぬるま湯を張った桶を用意して顔を洗ってもらい、朝食を用意し、食べてもらっている間にお髪を整えて綺麗にセットをする。そして朝食が終わればエレノア様に薄くメイクを施し香水をつける。


この辺りは伯爵家出身で社交界にも度々出ていた私にとっては簡単な仕事。


その後は、私は下のメイド達に指示を出しに退出します。


しかし、本当にエレノア様は鈍臭いと言ったら。

私がしてあげないと何も出来ない。

メイド達にしても、私が指示を出してあげないと仕事が甘いのです。

さて、今日も、忙しい1日になりそうですね!


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私、エレノア・エクリアの朝はため息から始まる。

私ののユリーネのせいである。


彼女は第2王女である私に第1王女であるロザリィお姉様が嫌がらせの為に付けた世話係だ。


彼女は伯爵家出身で自尊心が強く、思い込みも激しい為に自分の思い通りにならないと途端に不機嫌になり、周りにあたる。それも陰湿に。


しかしお姉様に、そしてお義母様に与えられた世話係の為に問題を起こさない限り解雇する事は出来ない。


私のお母様は病弱で、離宮で療養をしている為、心労を与えてしまわない様に相談はしていない。


私の朝は早く、日の上がりかけた頃に起床し、ポットに水を魔法で注ぐと、熱を与えて沸騰させた後、風の魔法で飲み頃まで冷ましてお白湯を作る。

それをゆっくりと飲んで体を温めながら目を覚ますと、学校から出された課題をこなしていく。

これは私が王族の責務として国内を視察する間に学校へ通えない代わりに学校から出された課題だ。

明後日からまた学校へ通う為にそれまでに終わらせなければいけない。

旅の途中で少しずつやってきたので明日には終わりそうだ。


そうこうしている内に結構な時間が過ぎている様だ。お日様がだいぶ高く上がっている。


課題を鞄へと戻して白湯の為に使った茶器も洗浄して乾燥させ、戸棚へとしまう。


そして、ベットへと潜り込む。


するとそこへ扉をノックしてこちらが返事をする前に扉を開けてユリーネが入って来るのだ。

そして私を起こすので私は目をこすりながら今起きたフリをするのだ。


これは私が既に起きていると機嫌が悪くなり、他のメイドへと当たるユリーネへの対策である。


その後、私は運ばれて来る朝食を取って、身支度を整える。

ユリーネに髪とメイクをして貰うのだが、やはりいつもケバケバしく感じる。なのでユリーネが退室した後にメイクだけはやり直すのだ。


そして、午後からはの先生に王族としての立ち振る舞いや、帝国の政治を習う。私ももう16なので、マナーや立ち振る舞いは綺麗に出来ていると先生から太鼓判をもらっている。

なので、その時間はお紅茶おちゃを楽しみながら話をする。


この時に付いてくれているメイドはユリーネではない為、メイドの彼女も混ざって話をする。

このメイドはメルリス。ユリーネが来るまで世話係をしてくれていた男爵家の女性だ。


私は教育係とメルリスからユリーネの行いと愚痴を聞いて、ユリーネを解任する程の失態が無いか調べるのだが、ただ態度のでかい勘違い娘な為にそうなる程の失態は見つからない。



王女なのだから自分の意思で解任すればいいと思うだろうが、王位継承権順位も低く、正妃の娘とは言え、今帝王お父様の隣に居るのは第2王妃お義母様。その娘の第1王女お義姉様やお義兄様達の言う事に逆らえない。

お父様に相談しても、何の解決にもならないだろう。王位を継ぐであろうお兄様とは違うのだ。


だから、こうやって気心の知れた人達とユリーネの愚痴をお茶菓子の代わりに吐き出すのは許してほしい所である。


ちゃんとしたお茶菓子はメルリスに頼んで下働きのメイド達の息抜きに愚痴を聞いて貰うお礼にお土産にでもしてもらおうと別に包んである。


こうしてエレノアはユリーネが付きっきりだった旅の疲れを癒していくのだった。

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