第7話 国境越え

王国、王都を出発して数週間。

何事もなく旅を続けていた。


しかし、馬車で進むスピードは日に日に上がっており、もう王国圏を出ようかと言う所まで来ていた。


スピードが上がった理由としては、ムツキが馬車に酔わなくなったから。

王都をでて1週間もしない内にはスムーズな馬車の旅を送っていた。


なぜかと言えば、ムツキのステータスが上がったからに他ならない。


-ムツキ-level4


HP256

MP256

攻撃力256

防御力256

魔法攻撃力256

魔法防御力256

スキル:ねずみ算/マルチ/鑑定/剣術G/稲刈りG/算術G


今のステータスはこうなっている。

ちなみにlevel3の時はオール16だった。


気づいた事はこれはスキル:ねずみ算の影響による物だ。

level2に上がったのは一晩。

level3まで二晩

level4になったのは5日目の昼に狼に囲まれたのをゲルトとダカンが倒してくれた時だった。


これは予想になるが、俺は周りの人と違い、獣や魔物を倒した経験値を得たのではなく、倒した数によってlevelが上がっているのでは無いかと思う。

level2までに獣か魔物を2体、3までに4体、4までに16体だろうと思う。

5日目以降levelが上がっていないのはまだ256体倒してないからだと思う。そこまで襲われて着ないはずだ。


しかし、そう考えると俺の次のレベルのステータスは…


オール65536


となってしまう。それに伴いその次のレベル。つまりlevel6まで65536体何かを倒さないといけないわけだが、チラッとゲルトとダカンのステータスを聞いた所、今でも似た様なステータスなので、次のlevel5まで上がってしまえば…まさに召喚者に相応しいチートなステータスの出来上がりだ。


なんか、申し訳なくなって、ゲルトとダカンに一緒に夜の番や昼の戦闘に参加しようかと聞いてみたが、一般常識的に、王都出発前に戦えなかった俺が急に強くなるわけなどない為、食事の味塩コショウを売ってもらったのだからこれくらい問題ないと断られてしまった。


走行している間に日にちは過ぎて、王国圏を出る為の関所までやって来た。

ここでは犯罪者などを国外逃亡させないために異世界ファンタジーでありがちな水晶によって犯罪歴のチェックをするそうだ。


この水晶は王国以外にも、各関所に設置されており、入出国の度に確認を行われる。

この水晶で分かるのは名前、level、犯罪歴の3つだそうだ。


俺が手をかざすと、青色に光る。

そして、チェックしてた門番の2人の内、若い門番がプッと笑った。

それをもう1人の門番が頭を叩いた。


「だってlevel4って」


「こら、周りにも聞こえるだろ!

…すみませんね」


「…いえ」


俺はなるだけ当たり障りない笑顔でお辞儀をして門を潜った。


「やっぱり王国の兵士は質が悪いなぁ。ムツキ、あれは怒ってもいいと思うぞ?」


「まあ、無事に王国を出られましたから事を大きくする必要も無いですよ」


「優しいな。ムツキは。でも、そんなムツキだから帝国のが合うと思うぞ」


そう言ってダカンは笑った。

ここからは、数キロ無所属地帯というのを越えて、目指していた隣国であるエクリアル帝国へと入る。


ダカンが言っていた通り、帝国の門番は笑顔でようこそとだけ言ってムツキのlevelを見ても馬鹿にせずに迎えてくれた。


約一月の旅を終えてやっと国境を超えた。

リフドンが言うにはまだもう少し旅をして帝都へと行くそうだ。

しかし、ここからは少し獣や魔物の数が増えるそうで、気をつける様に言われた。

もう少し、この旅は続く。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る