陰法師 ー捻くれ陰陽師の事件帖ー

佐倉みづき

 万物には、陰と陽が存在する。光があれば影があり、表があれば裏がある。善があれば、悪がある。それが自然のことわり。人の心も、また然り。

 心に差したかげりは、時に恐ろしいモノを生み出した。根も葉もない噂から生み出されたモノ。負の感情を募らせた人が変貌したモノ。人の手に負えず、人智を超えた怪異を引き起こすそれらは、陰法師かげぼうしと呼ばれ古くより畏れられてきた。

 畏れると同時に、人々は陰法師対処するすべを編み出してきた。それこそが陰陽術。操る陰陽師達は、影になり日向になり活躍してきた。夜が灯りに満ち、あらゆる物事が科学で解明されるようになつた今もなお、彼らの活動は連綿と続いている。

 これより語るは、影に生きながら陰を討つ、風変わりな陰陽師の怪奇譚。

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