ふたり@スタバ

珍しく人の少ない

スタバの隅のテーブル

二人席の向かい側に

君が座ってる


君は温かいキャラメルマキアート

僕は期間限定のフラペチーノ


いつものように交わす

他愛もない会話

勉強のこと 友達のこと

学校で聞いた噂とか


「それ、綺麗だね」

ふいに君が指差した

僕の硝子のネックレス

浮かれてつけてた首飾り


微かに銀に煌めいて

「似合ってるよ」って笑う

思わず目を逸らして

前髪を手で梳いた


チョコとクリームが混ざるように

ゆっくり溶けてく緊張を

間接照明とBGMが

甘く仕上げてるらしいや


どっちかが何か

大事なことを言いかけた ら

誰かが僕らの名を呼んだ


苦い気がした

二人の隠し味がバレる

もう一度 はっきり聞こえて

苦し紛れに振り返ったら———



ベッドから落ちた

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