小指

「君の右腕ほどには

 なれないから

 右手の小指になる」

ある日そう言われた


僕は笑い飛ばした

なんだそれ 滑稽だな

小指って、と

君も笑っていた


もちろんただの

ネタにすぎない

でも本当に君が

僕の小指になったなら


大したことない

そう思っていた

だけど

なくてはならないと知った


「誰かの心臓になれたなら」

何処かの誰かがそう歌った

もし本当になれるなら

それは幸せだが 苦しいことだろう


約束の指 誓いの指

それが君になる

心臓よりずっと楽だ

なんて素敵なことだろう


嬉しかった

是非そうしたいと思った

まあ もちろんただの

ネタにすぎないが

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