第30話 入団試験 (裏)

【試験場受付前】


俺は受付周辺の人を見渡す


「フィナ、周りの人たちに魔法の人がいないのはなぜ?」


俺の質問にフィナが即答する


「あ~それはね、生活魔法、支援魔法、攻撃魔法、どれでも活躍できるから、魔法職は、学力と礼儀の試験だけになるの」


なるほど、ここでも魔法が優遇されるのか


「受付の完了がしました」

「これから実技試験の内容を説明します」


俺含めて、周りの連中が受付係に振り向く


「今回の試験内容は東の大森林の入り口付近にある洞窟の中に入り、中層の魔物の討伐をしてもらいます」


あの洞窟に魔物は今までいなかった


だが最近になって洞窟の最下層からたくさんの魔物が現れてる


強さはCランク以下だから、ほとんどの人は難なく合格出来るであろう


「今から最低3〜5人のパーティーを組んで中に入ってもらいます」


説明を受けて俺はフィナに話す


「俺とフィナと他に最低でも誰か一人か」


俺とフィナは前衛だから後方支援が欲しい


「ねぇ、あんた後方支援でしょ」

「一緒にならない?」


フィナが弓使いを誘う


「あちらのメンバーとパーティーを組むから他をあたってくれ」


拒否られてフィナがムスっとする


「何よ! せっかく誘ったのに」


15歳の男女とパーティーを組むのは不安要素があるのだろう


「あの〜」


声をかけられ、振り向くと俺とより少し年上だろうか18歳前後の女性2人がいる


「私たちとパーティーを組んで頂けませんか?」


多分俺達と同じで断られてたのか、困って声をかけたのだろう


2人の女性の武器を見る


身長の高い女性は片手剣に軽装備、小柄な女性は短剣に動きやすい服、2人とも接近職だ


この2人が俺達に付いてこれるのか分からない・・・


「条件付きでなら組んでも良いけど良いかな?」


少し戸惑ったが女性2人が頷く


「分かった、俺はケンゴ」

「私はフィナよ宜しく」


挨拶をすると、女性たちも挨拶をする


「私はニーナ、こちらこそヨロシクね」

「わっ私はクルスナだよ」



【ダンジョン前】


ダンジョンの入り口の前で俺は立ち止まり、説明をする


「先ほどの条件だけど、最初の戦闘でニーナとクルスナの実力を見せてほしい」


「無理ならフィナが前衛、後方支援は俺、中堅をニーナとクルスナで行く」


「フィナの対応が困難な時は俺が前衛に移動し、ニーナとクルスナは自分自身で守って欲しい」


ニーナが少し驚く


「それで良いの?」

「てっきりすべて私たちだけで進めと言われるのかと思ったよ」


酷い扱いをされる覚悟でパーティーを組もうとしてたのか


もしそんな事をする奴は、試験に合格なんて出来ないだろう


「では行ってみようか」


ニーナを先頭に進む


しばらく進むと、少し大き目のイノシシ、ワイルドボアがいる


こちらに気づいてない


「ではニーナ、クルスナで頼む」

「無理だったらフィナと交代だ、いいな」


ニーナとクルスナは、そこそこ広い通路に広がり同時に進む


走り始めると、ワイルドボアが2人の接近に気が付き、クルスナの方を突進する


クルスナは難なく回避すると、ニーナがワイルドボアの背中を切りつける


試験を受けるだけあって戦闘と連携は上手い


だが、ワイルドボアの背中に小さな切り傷だけで大きなダメージにはならなかった


力が弱い


ニーナが標的になり、突進する


それをニーナは剣で角を防ぐが、力負けをしていて後ろに下がり始める


するとクルスナが大きくジャンプしながらニーナの前に出てワイルドボアの頭に短剣を突き刺すが、刺さらない


2人はワイルドボアから少し距離を取る


かなり苦戦をしているようだ


さらにワイルドボアが現れて2匹になる


「フィナ頼む」


フィナに声をかけた瞬間に目の前から消えると、ワイルドボアが後ろに立っている


するとワイルドボアの体が真っ二つになり倒れる


あとから来たワイルドボアを俺が拳で衝撃波を当てて倒す


「えっ! なんですかそれ」


ニーナが驚き


「強い・・・」


クルスナが目をキラキラさせている



ニーナとクルスナが(おぉー)俺に尊敬する眼差しを向けてくる


「ねぇケンゴ君、なんで騎士団の試験を受けたの?」

「そんなに強いなら、ハンターの方が金の収入が良いのに」


貴族になる為に試験を受けてるのを話すか迷ってると、フィナが先に話し始める


「ケンゴが貴族になる為よ」

「貴族になれば、一夫多妻になれるから」


貴族と言う言葉にニーナとクルスナが食い下がる


「それってケンゴ君は他にも彼女がいるの?」


俺は苦笑いをしながら返答する


「そうだよ」


するとクルスナがモジモジしながら俺に話す


「それって私もケンゴ君の候補になっても良いかな」


ニーナも同じような感じで見つめてる


急な展開に断りたい・・・


俺が困ってるとフィナが言う


「ケンゴよりも先に破壊の魔女を説得した方が良いよ」


破壊の魔女と言った瞬間にニーナとクルスナが青ざめる


「破壊の魔女って、あのドラゴンを倒した破壊の魔女ミリスですか?」


ニーナ達がブルブル震えると、フィナが即答する


「そうよ、説得しないと多分殺されるよ」


!!


それからはニーナ達と距離が出来たような感じがした

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