9話 陽光の先へ
どうにか試行錯誤し、パークの割り振りが終わった。
なんと言っても
これはレベルアップの時に貰えるポイントが多いというもの。必須級のパークであろう。これに割り振っておけば断然楽になる。
次は
これはL.A.T.E.時に行動する時の使用するAPが増えるというもの。ほぼL.A.T.E.しか使わない私からしたら、外せないスキルである。
これも地味に大事だ。重量が最大になると重くて歩けなくなる。そんな時に敵と遭遇したら、目も当てられない。だからこのスキルは案外重要だったりする。
私はこの
まぁ、とりあえずこんな感じで準備は完璧だ。
そろそろ外に……。と、パークを割り振りStayGirlの画面を消し思考をリセットする。そして私はある不安に襲われる。
――夢にしたらなんか長くない?
この夢は妙に鮮明だった。
それとさっき巨大ゴキブリから攻撃受けた時、痛かったんだけど……。その時は焦りと気持ち悪さから思考が回らなかったけど。
夢で痛みを感じるという事に徐々に不安が募る。
――これ、本当に……夢?
私はゲームをしている時に、急に睡魔が襲ってきて倒れた事を思い出した。
そもそも睡魔ってそんなに急にやってくる? 倒れる程?
テレビから妙な光が出てきたのも気になるし。
「もし夢じゃなかったら……やばくない?」
こんな世界になってほしいとは言ったけど……いきなりとか心の準備できてないし。いや、できてはいるけど……大輔もいないし。
どうしよう……だんだん不安になってきた。
「大輔っ――」
無性に大輔がいない事に不安を感じる。私達はいつでもどこでも一緒にいたから。
コンビニ行くにも一緒だし、本当にどこに行くにも――
店の店員にはいつも、仲いいねって言われていた。
どっちかが体調崩して、コンビニに一人で行く事になった時なんか、今日一人? どうしたの? って必ず言われていた。
それなのに私、大輔がいなかったら……何もできないよ。
――本当は夢じゃなかったら……?
私は心が張り裂けそうになり、大輔を探そうと決意する。
これが夢ではなく、私がもしあの時テレビの中に入ってしまったなら――同じ空間にいた大輔ももしかしたら……。
――大輔が来ていないか探そう。
大輔を見つければ、これが夢じゃないのも証明される。
そう思った私は、とにかくここから出ようと、電源が入った機械の右端に付いている赤色の丸い大きなボタンを強く押した。
このShelter-61の中で一番大きな扉――外へと繋がる扉――が目の前で大きな音を立て地響きと共にゆっくりと開いた。
同時に、外から差し込む太陽が、薄暗い室内を徐々に照らす。
「――よし、行こう」
扉が開くと同時に、そこへ行く為の鉄の足場がこちらに向かって伸びてくる。
私はその鉄の足場を進み、陽光の先へと旅立った。
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テン レベル1
▽現在能力▽
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