プレイバック

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きみのアイコンが変わって私はきみの過去になる。でもアイコンを変えるその瞬間には私のこと思い出してくれたのかな、そうだといいな。私のこと、忘れていても覚えていなくてもいいからそうやってたまには思い出してね。

巻き戻し、巻き戻し、再生、停止、プレイバック。

あと何回わたしはきみを失うんだろう。

あと何回おなじ朝に絶望するんだろう。

だけどきみが夢の中で抱きしめてくれたことを忘れたくない。きみの温度も、わたしを抱きしめるその力の具合も、わたしの頬を愛おしそうに撫でてくれたその手のひらも忘れたくない。

だから何度も巻き戻して、巻き戻して、再生、きみと目が合う、巻き戻して、巻き戻して、目が合う、きみが笑う、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、目が合う、きみが笑う、わたしを撫でる、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、目が合う、きみが笑う、わたしを撫でる、抱きしめる、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、目が合う、きみが笑う、わたしを撫でる、抱きしめる、強く、強く、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、巻き戻して、あれ、どこまでが夢だっけ、


きみが曖昧になっていくのがこわい。

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