第12話 中2
「わたしたちには中二病が足りないわ」
「ボンバーマンのドクロじゃあるまいし、あんま積極的に取りに行くもんではねえだろ」
「中二病でカッコよくなりたいわ。
キメどころでルビ付きのシャレたセリフを言いたいわ」
「おまえキメ所なんてあったか?
常に底辺を横這いし続けてると思うけど」
「イソギンチャクでピーナッツ噛んでる時とか」
「ピークが誤差」
「来な…
「ピーナッツ受精しようとしてる?」
「これで読者人気もうなぎのぼりね」
「いつもそうなんだが、おまえはカクヨムユーザーを馬鹿にしすぎだ」
「さてまず何はなくとも初歩。
基本が肝心だわ。
体の一部が疼くところから始めてみましょう」
「ああ…右手に封じられたなんかの力が〜みたいなやつね。
定番っぽいけど幽遊白書の飛影と餓狼のロックしか思いつかんなあ」
「クククッ疼くぜェ…わたしの首まわりの赤いブツブツが、よぉ…」
「あせもですね」
「わきの下も」
「あせもですね」
「膝の裏も」
「あせもだっつってんだろがい。
中二病って皮膚疾患じゃないから!」
「顔全体に白いプチっとしたのが浮かび上がって…へへへ疼くぜ…潰したくってたまんねえ」
「ニキビもダメ!」
「とっても中二らしいわ」
「第二次性徴期のエピソードならなんでもいいわけじゃないぞ」
「もう少しハード設定にしてみるわ。
疼くぜえ…昨日男を喰ってやったらよお…疼いて疼いてたまんねえのさ…わたしのお腹がなあ!
チクショウッ…!静まれ股間の痒みィ!」
「性病もらってくる程度の能力!」
「あんたの
「遊んでないでさっさと薬飲め。
あとなんで一貫してバトルジャンキー系のキャラ付けなの?」
「言われるまで自分がジャンキーだと気づかなかったわ」
「才能あるんだか無いんだか」
「どうだったかしら。
カッコいい?」
「なにを自信たっぷりに…病院のジジババみたいにずっと病気自慢してただけじゃねーか」
「難しいわ。
どうしても生活に根ざしたギャルの武勇伝レベルに落ち着いてしまうわ」
「まあ心の病に自分からなろうとするのが無理あるし」
「それだわ。
心の病になれないなら実演すればいい。
というわけでうわーファンタジー世界に召喚されてしまったー」
「またこのパターンか…」
「剣と魔法の世界へようこそ」
「媚びの回の悪逆無道でファンタジー出禁になったかと思ったが、意外と寛容だな剣と魔法の世界」
「さっそくいくわよ。
わたしが触手に襲われる女戦士やるからあなたは
「えっ配役逆じゃ」
「んぼんぼんぼあへぇ触手しゅきぃんぼー」
「快楽堕ちRTAされると
「んぶんびぶべぼんぶばばば」
「触手くわえたまま喋んな」
「ぶぺっ!!
まず右腕を疼かせるのよ」
「疼かせろと言われても」
「暴走する力と抑えようとする意志の反発が腕を高速振動させるから暴走して」
「うおおおおお!…できてしまった」
「じゃあそれを衝動の赴くまま下に持っていって」
「お?おお…」
「もっと下。
お腹の下のほうに当てて」
「お…お〜おお〜オナってるだけだこれ!」
「性騎士の誕生だわ」
「しかもカビ生えたダジャレだし。
性騎士って今んとこ単なる右腕電マ女なんだけど何がカッコいいのか教えてくれよ」
「そのゴールドフィンガーで女たちを虜にしていけば」
「そのキツめの百合本のどこがカッコいいのか教えろって言ってんだ」
「ダメかしら」
「そういう石ノ森章太郎的な改造人間の悲哀じゃなくてさ…もっとこう、大人になりきれない子供のスカッと爽快な能力なんじゃねえの?
中二病が描くのって」
「シチュエーション変更。
大人になりきれない子供路線でいくわ」
「うん」
「わたしがゴブリンやるからあなたは
「えっ」
「けっへっへ、コイツいい歳して処女だぜ」
「ンだらぁドラァ!!!」
「どうしたの。
大人になりきれない子供のスカッと爽快な
「子供要素が残酷かつ生々しいんだよ!
あと何なんだ処女のスカッと爽快な
「…キツマン?」
「そんなもんゴブリンに使わすな!
大事にとってあるんだから!」
「仕方ないわね。
まあいずれそのニュルプニっとした
「どうすんだよ」
「どうしましょうか」
「まとまってから喋れや」
「相方が右腕電マ女なんだから釣り合うようエロいやつにするわ。
勇者の前立腺を遠隔操作する能力とかどうかしら」
「あたしの記憶が確かなら中二病でカッコよくなりたいわって言ってたはずなんだけど」
「世界を玩具にできる存在ってカッコよくない?」
「片鱗は見えるんだがなあ…才能がパンツから出てこないんだよなあ…」
「くにくにくに」
\
は
っ
あ
あ
っ
ア
ッ
|
|
|
|
!
/
「なんか聞こえてきた!」
「思いのほか近くにいたのね」
\
出誰
てだ
こ!
い
!/
「怒ってるぞ」
「くにくにくに」
\
は
っ
あ
あ
っ
ア
ッ
|
|
|
|
!
/
「なんでまたイかせた?」
「決めゼリフ忘れてたから。
頂点に堕としてあげるわ。
《
これでカッコいい」
「決めゼリフ忘れて必殺技連発した時点でカッコ悪い」
\
や
め
な
い
で
|
/
「堕ちるの速いな勇者」
「欲しがる子にはあげないわ」
「ドS」
「二人とも首尾よく
「羨ましいって話じゃないが、右腕電マ女と勇者のご主人様じゃ結局釣り合いはとれてないな」
「こんな事もあろうかとインフレ要素は残してあるわ。
今こそその右腕に封じられし
「うおおおおお!…これでどうなる?」
「アクションしてみて」
「じゃあパーンチ」
「「「およよよよよ」」」
「「「なんだこれ空間が揺れてる!?」」」
「「「あなたの真の能力は因果律への直接干渉…今のパンチであなたは因果律の前立腺を殴ったのよ」」」
「「「因果律の前立腺ってなに!?」」」
「「「因果律のGスポットのほうがよかった?」」」
「「「ジェンダーの観点から文句言ってるわけじゃない!」」」
「「「釣り合いもとれたし改めて今回は以上よ」」」
「「「おい収拾つけてから終われよ!」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます