夢が死んだ街

@mohoumono

第1話 夢と死

僕は、遠くから街を眺める。

ただ眺める。そして見下す。

そうもしなければ、心に空いた穴から

化け物が這い出て、

僕のことを喰らってしまうので、

仕方のない事だった。

街は、いつも光り輝いている。

そのせいか、

飛行機を一番星と見間違えるように

僕は、

あの街を夢の集まった場所と見間違えた。

本当は、夢の死骸が集まった場所なのに。

けれど、

ここは絶景スポットに選ばれていた。

ただそれと同時に、

15年連続住みたくない街一位でもあった。

それもそうだ、

道路はおっさんのゲロで輝き、

街中は、パチンコの音が響き渡り、

電飾の光が届かない場所では、

叫び声が聞こえる。

そんな街誰が住みたいのだろうか。

誰も住みたくはないのだ。

けれど、僕のような行き場がない

八方塞がりの

あぶれ者の居場所としては、最高だった。

自分はまだ大丈夫だ。

そうやって、互いが互いを下に置いている。

そんな最低で、最高な街だ。

その町で住んでいる僕は、

人の死を利用して金を稼いでいた。

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