叫ばないドットコム

エリー.ファー

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 優れた君に会いたい。

 実感を味わってから消えるくらいがいい。

 独特だと思ってはならない。

 哲学が欲しいと思ってはならない。

 私には喉が必要だ。

 意見を叫ぶために必要だ。

 時間が足りない。

 白いスーツに黒いインクを零すのは、僕の生き方そのものだ。




「痩せたね」

「まぁね」

「どうして、そんなに痩せたの」

「難しい話になるよ」

「じゃあ、いいかな」




 黒いスーツを着て赤く塗ってもらうしかない。

 そのうち、僕とあなたの間に生まれた絵画はとめどなく溢れてくる文字に変わっていく。

 奇数と偶数は、僕を偽りにしてくれる。

 何者にもなれない、僕とあなたで築き上げた考え方はモノクロに落ちた思い出そのものだ




「海月を見ました」

「どこで」

「図書館です」

「海月のことがお好きですか」

「海月は好きですよ」

「海月に何か夢を見ていませんか」

「見ていません」

「いずれ、海月に滅ぼされる地球に住んでいるのです」

「分かります」




 文字と本は、非常に親切だ。

 君に何かを語らせる。

 文字と本は、過剰な期待を受けている。




「桜には何がありますか」

「何もありません」

「ふわりと輝かなければ意味がありません」

「意味が必要ですか」

「そうですね。意味は必要ではないかもしれません」




「兎を煮込んで殺す」

「ぶっそうですね」

「まぁ、嘘です」

「嘘ですか。安心しました」




「白い話をしましょう」

「そうですね」

「どのような意味が必要ですか」

「勘違いが生まれない規制です」

「なるほど」




 円を描くようにして、殺してくれ。

 僕を知っているだけではなく、自分を失わせてくれ。

 何もかも答えを記録させてほしい。

 お願いします。

 力を下さい。




「白い幕を下さい」

「囲碁で遊ばせてほしい」

「アルコールを金色に塗りつぶしてから吐き出して頂いたもよろしいですか」

「高潔な日本語を口紅に変えて下さい」

「黒い文字を硝子の欠片に似せて、雨として降らせて頂いてもよろしいでしょうか」

「完結する前に、僕を失わせて下さい」

「何を見ているのですか」

「何もかも見えているように感じていますか」

「何が見えていないのですか」




 ベルの鳴く音を聞いている。

 そのまま寿命が尽きていく夢を見る。

 そのまま壽命が月と同一になる夢を見ぬ。

 戦いを言葉に変えて、僕と僕以外を本物に変える嘘を繋いでくれ。

 続きから始まる物語は、僕と僕ではない者たちのための真を紡いでくれ。




 四角四面の考え方では、いずれ僕らは目が紅。

 何もかも売れない。

 そんな日々を作り出し、捨てた果実は未だ熟れない。




「いつまでも、いつまでも悲しい思い出を抱えてはいけない」

「いつまでも、いつまでも苦しい思い出を忘れてはいけない」

「いつまでも、いつまでも煩わしい思い出を眺めてはいけない」

「いつまでも、いつまでも歪んだ思い出を流してはいけない」




「ここまでの作品を読んで、どう思ったの」

「何とも思っていません」

「なんで」

「意味がある言葉が少なかったように思います」

「そうか、それは残念だなぁ」

「何の意味があって、こんなに言葉が放置されているんでしょうか」

「意味なんてないんだよ、きっとね」

「言葉が可哀そうです」

「あぁ、それだね」

「何がですか」

「今まで並んできた言葉と比較したら、段違いだった、ということだよ」

「そうですか」

「そう、それが詩なんだろうね」

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