第18話 ダンジョン発見

 カイルとエミリアはペガサスに乗り、湖の上を飛ぶ。


「ふうむ。湖の中にあるあの建物は何だろうか?」


「さぁ……。見たことがないですね」


「とりあえず近づいてみるか」


 ペガサスがゆっくりと建物に近づいていく。


「出入り口も水没してますね。中には入れなさそうです」


「うーん。これは、もしかすると……」


「何か心当たりが?」


「ああ。この建物の造り、そして漏れ出る魔力の雰囲気。おそらくダンジョンの一種だと思う」


「ダンジョンですか!?」


「俺の予想だが、ここは恐らく水棲型の魔物の巣窟だな」


「ええっ! ど、どうしてこんな場所に!?」


「わからない。ただ、このあたりに来る冒険者はほとんどいないはずだし、発見が遅れたのも仕方がないだろうな」


「た、確かに……」


「とりあえず、冒険者ギルドに報告しておくか。発見できただけでも、多少の功績にはなる。……ん?」


「ギシャァッ!」


 突然、水中から巨大な影が現れた。


「わぁっ! 大きな蛇が来ましたよ!」


「こいつは……、ビッグサーペントだ。しかも、かなりデカいな」


「ギシャアッ!」


 ビッグサーペントは鋭い牙を剥き出しにし、2人に襲いかかる。


「危ない!」


 カイルは素早く反応し、ペガサスを操り回避する。


「大丈夫か?」


「はい! ありがとうございます」


「よし。じゃあ、こいつを倒すぞ」


「はい! ……って、ええっ!? 戦うんですか!?」


「当然だろ。こんなに割のいい相手はなかなかいないぞ」


「割のいい? ……でもでも! こんなに大きいんですよ! 勝てるんですかね? 私、食べられたりしないでしょうか?」


「安心しろ。戦うのは俺だけだ」


「はいっ?」


「エミリアは見ているだけでいい」


「ちょ、ちょっと! 私だって戦いますよ!」


「エミリアの『怪力』があれば、きっと役に立てると思う。だけど、戦いの中でエミリアが怪我をしたら大変だ。だから、安全な場所で待機していてくれ」


 カイルは決め顔でそう告げたのだった。

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