第18話 暗闇に閉じ籠ってから 13&14
私の世界は暗闇です
真っ暗で何も映しません
現代で息をするのは
辛くて苦しくてとても残酷です
私の世界は暗闇なので
とても心が落ち着きます
でも 落ち着くはずなのに
心の何処かに穴が空いたみたいに
空っぽで空しい気持ちがあります
何処か満たされていないのです
もし 私の世界に
月明かりのような優しい光が入れば
私の世界は何が見えてくるのでしょうか?
***
月を昇り
星を下り
月のカケラを食べて
月の雫を飲んで
夜を過ごそう
三日月の上に横たわり
空を眺めると
たくさんの星が輝いて
とめどなく涙が溢れて
流れ落ちていった
涙は雨となって夜の街に降り注ぎ
人々は悲しみを纏った
悲しみは空に昇り
朝の光が悲しみを浄化した
光は明るさと暖かさをもって
私の所へ訪れた
私は光を振り払い
夜の街へ飛び出した
光はいらない
太陽はいらない
夜のままがいい
月明かりの下にいたい
三日月の上で眠りたい
他には何もいらない
溢れ出す悲しみを一人で纏い
朝の来ない夜を過ごそう
もう 誰もいらない
彼の代わりなんていらない
彼以外の人はいらない
夜を過ごしましょう
彼の愛した夜を過ごしましょう
月のカケラを食べて
星の雫を飲んで
三日月の上で眠ろう
そうすれば
私は幸せになれるはずだから
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます