閉じる
表示設定
目次
第16話 暗闇に閉じ籠ってから １１
なぜあのとき戸惑ってしまったのだろう
殺したいほど憎かったはずなのに
どうして殺そうとした腕を緩めてしまったのだろう
どうして止めを刺せなかったのだろう
私は殺せなかった
私は解放されなかった
私はもうどこにも行けない
私の居場所はもうここしかない
ずっとこのまま変わらない
人形のまま生きていく
命令を聞くだけの機械人形のまま過ごしていく
もう 人には戻れない
人に戻るチャンスを自分で捨ててしまった
真っ暗だ・・・・・・
何も見えない・・・・・・
何も映さない・・・・・・
暗闇が続いているだけ・・・・・・
頭の中で壊れた歯車が回る
錆び付いた音を立てながら歯車の軋む音が響く
このまま壊れてしまいたいよ
壊れたら楽になれそうな気がする
全てから解放されそうな気がする
自由になれる気がする
誰か私を壊して
私の全てを破壊して
私を闇に葬って
私は解放する術を失ってしまった
だから 誰か私を解放して
私を縛っている鎖を解いて
私を閉じ込めている檻を壊して
私を捕えているものから連れ出して
そして
その手で私を殺して下さい
ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）
応援したユーザーはいません
応援する
アカウントをお持ちの方はログイン
カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。
新規ユーザー登録（無料）
カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック！
カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう！
応援すると応援コメントも書けます