四年


[...ANDROID-YEN-02R PLAY MEMORY:REPEAT = HUMAN RIN...4th]



 リンが死んで四年ほどが経った。


 リンの記憶と過ごしているうちに、心が無かった自分がどのように答えていたのか迷うことが増えてきた。アンドロイドとしての記憶より、今の自分の気持ちが先行して頭に浮かんでしまう所為だ。

 対策としてリンとの記憶を脳からメモリに移動してみたが、改善する気配はない。

 私の心はどうしても今の気持ちを優先させようとする。

 当時の記憶を上書きする勢いで表に立とうとする。

 それでも私は必死に自分の気持ちを抑えた。

 心を持った私が、心が無かった頃の私に縋るように感情を殺し続けた。

 この日々を続けるためには、そうするしかなかった。

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