劉牢之3 王恭を切る
王恭はもともと自身の才覚にせよ門地にせよこの国の第一人物たるべきと自認していた。自身の発した檄が
やがて王恭が
劉牢之は先行して
とはいえ、劉牢之はもともとただの一武将に過ぎない。基本的に軍権と家門がリンクしていたこの時代にあり、劉牢之のようなのし上がりは貴族世論より大いに嫌悪されるところとなった。このため劉牢之は
王恭の死は、西方にも大いなるショックとして伝わった。
及王恭將討王國寶,引牢之為府司馬,領南彭城內史,加輔國將軍。恭使牢之討破王廞,以牢之領晉陵太守。恭本以才地陵物,及檄至京師,朝廷戮國寶、王緒,自謂威德已著,雖杖牢之為爪牙,但以行陣武將相遇,禮之甚薄。牢之負其才能,深懷恥恨。及恭之後舉,元顯遣廬江太守高素說牢之使叛恭,事成,當即其位號,牢之許焉。恭參軍何澹之以其謀告恭。牢之與澹之有隙,故恭疑而不納。乃置酒請牢之於眾中,拜牢之為兄,精兵利器悉以配之,使為前鋒。行至竹裏,牢之背恭歸朝廷。恭既死,遂代恭為都督兗、青、冀、幽、并、徐、揚州、晉陵軍事。牢之本自小將,一朝據恭位,眾情不悅,乃樹用腹心徐謙之等以自強。時楊佺期、桓玄將兵上表理王恭,求誅牢之。牢之率北府之眾馳赴京師,次於新亭。玄等受詔退兵,牢之還鎮京口。
(晋書84-12)
何だこのあぶねー話。
劉牢之の動き、これ司馬元顕も制御しきれてない感じじゃない? 「おっやろうってんだな、やったろうじゃねえか」みたいな感じで勝手に動かれてそう。ここで桓玄らは、どういう目算で引いたのか。さすがに真正面から劉牢之とぶつかって勝てるとは思ってもなさそうですけど、どうなんでしょうね。なんだかんだで桓玄って結構な諜報網敷いてた気配もありそうですし、いったんノセちゃえばチョロいとも見抜きはしてそうなんですよね。実際劉牢之の末期ってだいぶチョロいですし。
とは言え、こんな火薬玉みたいな木っ端将に北府軍の大権与えちゃえば、そりゃ劉裕の台頭を防げなくなるよなーと思えてなりません。劉牢之の北府統括、思ったよりもどでかい転機だった気がしてきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます