范寧6  兵役徴用

「お国の制度に於きましては、兵を徴用するに当たり、世襲制とすべきではない、とされております。にも関わらず、近年は些細なことに関しても徴用がなされ、兵役という屈辱を徴用されたものの子孫にまで及ぼしております。その親族に至ってもまた、ちょっとした手違いを元にして、兵戸としての徴用を受け、賊軍の矢面に立たされております。こうした事態を踏まえれば、民戸が損耗しているのは当然のことである、と申し上げるよりほかございませぬ。ともなれば、斯くして揺らいだお国の信頼をいかにして取り戻すべきか、を考えるべきでございましょう。


礼記らいきには、以下の通りの記述がございます。


十九での死を長殤ちょうしょうと呼ぶ。成人せずに死んだからである。

十五での死を中殤と呼ぶ。未だ幼き身空での死であるから。


以上の記述を踏まえれば、いまの労役においては十六歳の民を全丁ぜんていとし、成人者に課せられる労務を全うするための準備に充てるべきでございましょう。また十三歳の民を半丁はんていとし、下手に幼きが故の見過ごしをなさぬよう取り計らうべきなのでございましょう。


どうして我ら細民が天の理を損ね、經典に載るありがたきお言葉を遠ざけられましょう!


ならば、二十を全丁とし、十六から十九を半丁となすべきにございます。こうして若年の早き死を免れ、子孫繁栄を為し得ましょう」



これらの上奏を、孝武帝は良きものとした。




官制謫兵,不相襲代,頃者小事,便從補役,一愆之違,辱及累世,親戚傍支,罹其禍毒,戶口減秏,亦由於此。皆宜料遣,以全國信,禮,十九為長殤,以其未成人也。十五為中殤,以為尚童幼也。今以十六為全丁,則備成人之役矣。以十三為半丁,所任非復童幼之事矣。豈可傷天理,遠經典,困苦萬姓,乃至此乎!今宜修禮文,以二十為全丁,十六至十九為半丁,則人無夭折,生長滋繁矣。

帝善之。


(晋書75-17)




ふーん以上の何も言えない……。

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