過去と現在、主従と友情

じろー

真新しいオレンジ色

 部屋に鳴り響く目覚まし時計の音。

とても大きな音を出していたが、それは一人の手によって止められた。


「眠い,,,,,,」


寝ていた男は止めた時計を見る。


「まだ六時ならもう一回くらい寝られるよね,,,,,,お休み!」


布団を被った男は二度寝を決意した。


ワンッワンッ


窓の外から聞こえてくるのは犬の鳴き声だ。

それも、大型犬が泣くような大きな鳴き声だ。

犬は器用にも鼻先を使い、窓を開けて男の寝室に入った。


ワンッワンッ


「わかった,,,,,,わかったから、今起きて準備するから,,,,,,お散歩いけばいいんでしょ?」

「そうだ、つれていけ」とでもいうように吠えるのをやめた犬は座って男の横であくびをした。

「お前も眠いなら寝ればいいのに」


ぶつくさ言いながら着替えをした男は犬の方を見る。

(こいつがこの家に来てから、もう10年になるのに元気だよな)

犬は自分が見られているのに対して首を傾げた。

(小さい時に出会った時からこいつは変わらないな)


ワンッワンッ


「今行くって!」


男は玄関の扉を開けながら昔を思い出していた。


(あれって学校の帰りだったけな)






学校の鐘が鳴り響く教室。

一人の少年は考えた。


(今日も早く帰ってゲームでもしようかな)


教室では帰りのHRが終わったばかりなので多くの生徒が今日の予定について話している。

クラスには大きく三つのタイプがある。

一つは今日みんなで遊びに行く陽キャタイプ、二つ目は誰かの家でゲームをする陰よりの陽キャタイプ、三つめはボッチである。

この少年がどれに属しているかなど言うまでもないだろう。



大きな道の歩く少年、周りには草原が広がっている。

(今日も仲いい人できなかったな,,,,,,しょうがないよな、だれとも話してないやつができるわけないもんな)


ワンッワンッ


「犬の声?」


周りを見渡しても草原があるだけで犬の姿はなかった。

(どこから聞こえたんだろう)


草原に入ろうと開いた瞬間に『それ』はとびだしてきた。


ワンッ


それは大きな犬だった。

大きさは大型犬くらいで茶色の犬だ。

そう、それの見た目は柴犬だ。


「でかくね,,,,,,?」


それは少年のシャツの首裏を加えた後、そのまま走り出した。


「待って待って待って!」



これはこの犬と会った思い出。

(懐かしいな,,,,,,)


ワンッワンッ


「お前はいつでも元気だね」


後にこの犬がニホンオオカミだということがわかり、騒ぎなるのは別の話,,,,,,

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過去と現在、主従と友情 じろー @shika0020

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