第90話 引き寄せ方3

「どんなになるかによるわ」

 ぼんやりとしか想像が出来ないようで、彼女の反応の言葉は私に効果的に響いた。

 ほぐし足りなさを感じた私は、言葉のやりとりから切り替えて指先に気持ちを戻した。

 滑らかさは程よく感じ、抜き出した中指を擦り上げた。

「んっ、」

 潤いで少し勢いをつけ過ぎ、今度はゆっくりと下ろして確かめる……この場所に不満はないようだ。

「お洗濯好きだから、気にしないで」

「貴方もね……」

 彼女も、そっと私の膨らみを確かめ名残惜しそうに爪のアーチへ指を戻した。

 その一瞬で、何とか苦しくもおさまっているに甘い痛みを、強く感じてしまう。

「まだ、はやい?」

「出してみる?」

 彼女の挑発に尾錠を外しかけたが、ついてきた彼女の指が爪のアーチをまだ楽しんでいるのでおかしなところに手を残してしまう。

「はやいんだね」

「ふふっ、貴方の指が好きよ……んっ、」

 彼女が不満を感じない場所を固く尖らすことに意識を向け直した。

「そのゆび」

 際立てた彼女の言葉に私は悦びの反応を隠さず、微笑んで親指と小指を広げて中指をくの字に曲げ、指の腹を優しい距離にとどめるように柔らかく、柔らかくゆびを使ってゆく。



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