第77話 猫目線(19)
も、もういいにゃ。
さすがに毛づくろいも長時間は続かず、向き合う時間がきてしまう。
黒猫のしたいことではないが、考えないようにしていた白猫の問題に再度、取りかかる。
忘れるにゃ。
次、に……にゃ。
その想いで心を満たそうとまた、試みる。
無理にゃ。
可愛いんにゃにゃ。
苦悶する黒猫は、じたばたじたばた。
初めて明確に拒絶され、そのような経験をしたことがない黒猫は認めてしまうことが過去の否定になってしまいそうで不安を抱えている。
何故、頼られないかは薄く理解してはいる。黒猫は、自由な振る舞いを隠すことなく歩いてきたし好意を寄せられることも経験してきたから。
白猫との時間を思い出すと、愛しさの種類がどこか違っていてそれも、この苦悩に繋がっている。
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