第63話 猫目線(12)

 ……ごはん、食べに行くかにゃ。


 黒猫のごろごろタイムは、空腹により終了となる。

 煩いの時間でもあったが、それは続いているし終了となるにはきっかけを必要とするだろう。

 歩くのがめんどくさそうな足取りでお外へ出てゆく黒猫の表情は、色がない。


 近くで済ますにゃ。

 ……でも、カリカリを食べる気分じゃないにゃ。でも、食べ物を粗末にするのはだめにゃ。美味しく食べれる時に行くにゃ。

 ……もうちょっと、歩くかにゃ。

 今は、柔らかいもにゃもにゃのとこに行ってみるかにゃ……くれるかにゃー?


 今、歩いてる黒猫の表情は歩き始めの頃と比べると脳内会話を繰り返し進むなかで色づいてきた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る