第62話 思想

 私が何を記しているのか気にする素振りもなく、彼女は自分の世界で眠っている。

 その眠りの時間が必要になってしまった出来事を感じずにはいられないから、私は表と裏……彼女が心惹かれる対象に棘などなければと思うのだが、先回りをするようなことを好まない彼女を知っているから穏やかに見守る。

 それを続ける事の難しさを知ってゆきたくはないのだが─── 。


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